はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

妻名義の普通預金1,100万円ほどを遊ばせている状態です。なにかできることがないか、ご意見をうかがいたいです。我が家は共働きで世帯年収は約1,100万円。妻の普通預金1,100万円以外には預金が100万円、株式口座に300万円(株式150万円、預かり金150万円)、自宅は持ち家でローンが3,000万円強残っています。
(30代前半 既婚・子供1人 男性)


深野: 奥様名義の普通預金についてのご質問ですが、どれくらい奥様が資金運用にご関心があるのか、いただいた内容からは定かではありません。

また資金運用に関心があったとしても、どれくらいリスクを取ることができるのかという、いわゆるリスク許容度についてや、家計管理は夫婦合算、もしくは別々で管理しているという情報。また現在の家計の収支状況、資金運用の目的など、質問に答えるための前提条件があまりも少なすぎます。

ですので、今回はあくまでもご質問から推測できる範囲内で回答させていただくことをご承知おきください。

1100万円の使い道は?

奥様名義の普通預金であるにも関わらず、ご主人から質問が来ていますので、ご主人が家計管理や資金運用を任されているのだと思われます。

世帯年収が1,100万円ほどあり、また金融資産が総額で1,500万円ある上、株式投資を行っていることを考慮すればリスク許容度は高い家計と考えられます。

一方、住宅ローンの残高が3,000万円強あること、お子さんの今後の教育費負担を考えると、積極的にリスクを取った資金運用は控えた方が無難だと思われます。

不確定要素もありますが、低金利に甘んじている普通預金を活用するには残高の3割程度で住宅ローンの繰上げ返済を行ってはいかがでしょうか。

家計の収支バランスがよく、毎年しっかり貯蓄ができているのであれば、残高の4割から5割程度まで繰り上げ返済に回してもよいでしょう。

もし3割を繰り上げ返済に回した場合、残り5割は定期預金や債券などで安全確実な運用を行い、あとの2割を投資に回されてはいかがでしょうか。定期預金はネット銀行や地方銀行のインターネット支店の6ヵ月か1年ものを選択。

条件のよい社債が発行されれば社債でもよいでしょう。ただし社債は固定金利商品なので、満期償還までの期間は長くとも5年までとすべきです。仮に満期償還が5年のものであれば、できれば利率1.0%以上はほしいところです。

投資に回す2割に関しては、国際分散投資の観点から外国の株式、あるいは外国の債券指数に連動するETFか投資信託がよいと思われます。これらを購入する場合も、まとまったお金を一度に投資するのではなく、何度かに分けて投資を行う時間分散を活用されるとよいでしょう。

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