はじめに
ホームインスペクションは「購入前」に
では、どんなタイミングでホームインスペクションを依頼すればいいのでしょうか。島原さんは「購入前に行うべき」とアドバイスします。「換気ダクトや給排水管に不具合がある、床が傾いているなど、明らかな欠陥を見つけるのも目的の一つ。購入前に確認しておけば、売主側の責任で直してもらうことも可能です」(島原さん)
中古住宅を不動産販売会社から購入する場合、最低でも2年間の瑕疵担保責任がついてきます。でも、「ホームインスペクションを依頼した結果、この給排水管は2年程度なら問題がなさそうだが、5年後の状態は保証できない』という診断をされることも」(島原さん)。
その場合、買ってから直すのか、そのまま買って様子見をするのか、それとも買わないのか。予算やリスクと相談しながら判断する必要があります。
また、中古物件を買う際に考えたいのがマンション全体の修繕問題。戸建であれば外壁や屋根の修繕は自分が必要と感じたタイミングで行えますが、大勢の人と一緒に暮らすマンションではそうはいきません。修繕の内容も外壁の補修や塗り替え、共用部の設備交換など、多岐に渡ります。マンションを買う前に考えたい修繕や管理の問題について、次回詳しく解説します。
第1回:リノベとリフォームの違いは何?マンション購入、中古という選択肢を考える
第2回:中古マンションで気になる築年数・修繕履歴・断熱、購入のカギは「築20年」
島原 万丈
株式会社LIFULL/LIFULL HOME'S 総研所長1989年株式会社リクルート入社。2005年より リクルート住宅総研。2013年3月リクルートを退社、同年7月株式会社ネクスト(現LIFULL)でHOME'S総研(現LIFULL HOME'S総研)所長に就任。他に一般社団法人リノベーション協議会設立発起人、国交省「中古住宅・リフォームトータルプラン」検討委員など。