はじめに

不安をエサにする陰謀論

独メディアのツァイトは、広がる抗議行動の背景にあるのは「自分たちの声が聞き入れられない」という感情だと分析します。さらに、ベルリン地方紙のベルリーナー・モーゲンポストは、抗議行動には極右グループや陰謀論者が参加している場合もあることに触れ、こうした勢力が政治に不満を持つ層を取り込む危険性を指摘しました。

政治家からも抗議行動に警鐘を鳴らす声が上がっています。ベルリン市のガイゼル内相は自身のツイッターで抗議行動への参加に関して注意を促しました。

1分半の動画の中で、ガイゼル内相は抗議行動は市民の権利であると強調した上で、「陰謀論者の発言に惑わされないでください」「過激派のダシに使われないようにしてください」と述べました。

規制緩和に向けて舵を切ったドイツですが、実生活は「通常化」とは程遠いのが現実です。このような現状で湧き上がる不安にドイツ社会はどのように対応するのか、市民の理性が試されます。

この記事の感想を教えてください。