はじめに

ゴールドマン株の8割以上を売却

また、金融株についても大きな変化がありました。世界有数の投資銀行として知られるゴールドマンサックスの株式を8割以上も売却しました。バークシャーが大量にゴールドマンサックスの株式を保有することになったのはリーマン・ショックがきっかけでした。

リーマン・ショックで非常に大きなダメージを受け経営危機に陥ったゴールドマンサックスに対し、約50億ドルの優先株を購入するとともに、新株予約権という株式に転換できる権利も購入しました。

その後、新株予約権を株式に転換し、バークシャーはゴールドマンサックスの大株主になっていました。今回バークシャーはゴールドマンサックスのほかにも、JPモルガンやUSバンコープといった米国の金融機関の保有株の一部を売却しました。バフェット氏は今後の金融株に対してやや慎重な見方をしているのかもしれません。

アップル1銘柄だけで全体の約4割

それでは最後にバークシャーの最新のポートフォリオをご紹介します。バークシャーは現在、米国上場銘柄を50弱保有していますが、実は保有金額上位10社で全体の9割近くを占めています。中でも飛びぬけて保有ウェイトが大きいのがあのアップルです。

アップル1銘柄だけで全体の約4割のウェイトとなっており、バフェット氏のアップルへの期待の高さがうかがえます。バフェット氏は過去にインタビューでアップルのブランド価値を絶賛し、「私たちの3つ目の事業」とまで呼びました。そのほかにもバンクオブアメリカやコカ・コーラ、アメリカンエキスプレスなど非常に有名な企業の保有ウェイトが高くなっています。

バークシャーハサウェイの最新ポートフォリオ
バークシャーハサウェイの最新ポートフォリオ

今回は大きく損失を出してしまったバフェット氏ですが、彼が尊敬すべき賢人であることに変わりはありません。今後も彼については折に触れてご紹介できればと思います。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>

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