はじめに

日本はスウェーデンと同程度

モビリティ指数の落ち込みが世界で特に小さいのが、アプリによる厳格な行動管理と徹底した検査で感染が抑えられていると言われている韓国と、早期の渡航制限が奏功したと言われている台湾となっています。

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日本では、行動制限を批判する立場からはスウェーデンを目指すべきと言われたり、逆に経済活動重視を批判する立場からはブラジルの被害の大きさを見るべきと言われたりしますが、実際には日本のモビリティ指数の落ち込みはブラジルと比べても小さく、スウェーデンとおおむね同程度となっています。

3月以降は学校こそ閉鎖されているものの、4月上旬の緊急事態宣言発令前までは都市部を中心に満員電車が見られる状況も続いていました。その後の落ち込みも緩やかで、5月の大型連休中の-50%程度が最も大きな落ち込みとなっています。日本はモビリティ指数の落ち込みが小さかったにもかかわらず、被害も相対的に抑えられています。

ただ、各国のモビリティ指数と死者数の傾向を見ると、行動制限が弱いにもかかわらず被害が相対的に少ないのは日本に限った話ではなく、衛生観念が高いとは言えない国を含むアジア地域に共通した特徴となっています。

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逆に、欧州・米州では公衆衛生が充実した国でも強い行動制限にもかかわらず被害が大きくなっており、その理由も確たるものがない状況となっています。

WHOは経済活動の再開に伴う蔓延、米疾病対策センター(CDC)は秋以降の第二波に警戒を呼びかけていますが、こうしたアジアと欧米の地域差の解明が今後の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ上でも課題となりそうです。

<文:ファンドマネージャー 山崎慧>