はじめに

2ヵ月にわたる外出制限が解除されたフランスは、この経験をもとに今後どのような社会を目指すのでしょうか。エコノミーとエコロジー、どちらを優先するべきなのか?効率的な社会と公平な社会は?世の中はより良い方向に変わることができるのか?さまざまな問いが人々の関心にのぼり、仏メディアでも盛んに取り上げられています。

これらの話題から、確実に変わると見られている価値観をいくつか取り上げたいと思います。


フランスでも進むリモートワーク

まず1つ目は、リモートワークの導入による、働き方の変化です。企業にとっても社員にとっても、外出制限を余儀なくされ導入することになったリモートワークでしたが、意外にも双方にとって有益であることがわかりました。

企業側が心配した社員の処理能力の低下は見られず、社員たちは通勤時間を省ける、オフィスから離れた場所に暮らしても仕事を続けられる、個人的な都合に合わせて勤務時間を調整できる、などのメリットを実感することになったのです。

リモートワークを導入することで、企業としてはデスクを確保したり通信環境を整えたり、またそれらを維持したりといった、投資(コスト)を大幅に削減することも可能になります。

パリ市内の住宅とバルコニー

整った仕事環境で働くことができない、同僚と意見交換ができない、などのデメリットも当然ありますが、「それらを踏まえつつ、企業はリモートワークの利点を取り入れることになる。同時に、新たなオフィスのあり方が考え直される」と、オフィス専門不動産サービス企業であるBNPパリバ・レエル・エステイトのコーポレートサービス責任者のシルバン・オス氏は見解を示しています。

通勤は週数回だけで基本はリモートワーク、というライフスタイルが、すぐにも定着するかもしれません。