はじめに

前回、毎日積立でS&P500と日経平均株価に連動するインデックスファンドを購入した場合、実際にどの程度の損益になるのかをシミュレーションしてみました。そこで今回は、毎日積み立てる場合と、毎月積み立てる場合のいずれが有利なのかを比較検証してみましょう。


定額積立投資のおさらい

定額積立投資の効果については前回、説明したとおりです。株価や為替レートに上げ下げはつきものですが、ひたすら上昇し続ける、ひたすら下落し続けることはありません。もちろん長期にわたって下げ相場が続くこともありますが、いずれどこかの時点で底を打ち、上昇へと転じます。

定期的に定額で積立投資を続けると、価格が下落している時に多くの口数を買うことが出来るため、価格が上昇に転じた時、口数が増えている分だけ損失の回復が早くなります。しかも価格が高くなるほど購入口数が少なくなるため、再び価格が下落に転じた時に損失が膨らむのを多少なりとも抑えることができます。

「長期投資で成功するためには、価格の安い時にたくさん買い、価格が高い時は少なめに買う」などと言われますが、これを自分の裁量で実行するのはかなり困難です。定額積立投資は、比較的それに近い投資が行えるということで、つみたてNISAや確定拠出年金のような、長期的な資産形成のツールに採用されているのです。

長期で積み立てれば日経平均でもリターンは得られる

投資経験の長い人は、日経225平均株価の歴史が脳裏に浮かんでくるでしょう。日本経済がバブル経済のピークをつけた1989年12月末に3万8915円をつけた後、バブル経済の崩壊、証券不祥事、金融機関の不良債権問題と大手金融機関の相次ぐ破たんなどを受けて、1998年10月には1万2000円台まで下落。2000年3月にかけてはITバブルを受けて2万円台を回復したものの、ITバブルの崩壊、根強く残る金融不安によって、2003年4月には7603円まで下落しました。

その後、小泉政権のもとで景気が緩やかに回復し、株価は1万8000円台までもどしたものの、サブプライムショック、リーマンショックを受けて2009年3月10日にはバブル後最安値となる7054円まで下落しました。バブルピークから19年3カ月間で、日経225平均株価は81.8%も値下がりしたのです。

また、そこからの株価の戻りは極めて鈍いものでした。2009年に民主党政権が誕生したものの、その政権運営は混迷を極め、景気は悪化し、日経225平均株価は1万円割れの低空飛行が続きました。そして安倍政権が誕生し、株価は上昇していきました。

このように長年にわたって上昇・下落を続けてきた日経225平均株価は、2020年5月末時点で2万1877円ですから、バブルピークの水準には遠く及びません。

では、この間(1989年1月~2020年5月)日経225平均株価を定額積立投資し続けたら、どのような成果が得られたでしょうか。日経225平均株価を投資信託の基準価額に見立て、毎月2万円ずつ買い続けた時の投資成果を計算してみました。

結果は、積み立てた総額が754万円で、その時価評価額は1110万3205円でした。一応、リターンは出ています。が、積立期間は31年と4カ月間ですから、元本割れを避けられたとはいえ、かけた時間の長さで考えれば、いささか割に合わない投資だったということになりそうです。

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