はじめに
「借りられる金額」と「返せる金額」を間違えてはいけない
シングルマザーに限らず、住宅購入に伴う住宅ローンを借りるときに一番気を付けなければいけない点は、「借りられる金額」ではなく、「返せる金額」で借りるということです。
特に、シングルマザーやシングルファーザーである場合、収入を得られるのがひとりであるため、より慎重に購入金額について検討することが重要となります。
もちろん、住宅購入だけでなく、子どもの教育費の準備や、自身の老後準備も必要です。また、ご相談者のように元夫から養育費や勤務先からの扶養手当などを受け取っているケースもありますが、これらは将来的にもらえなくなる可能性もあるために、養育費や扶養手当は無いものとして検討した方が良いでしょう。
相談者が「借りられる金額」の目安は?
では、「借りられる金額」と「返せる金額」の目安についてみていきましょう。
金融機関が住宅ローンを貸すにあたり、審査項目のひとつに返済比率(返済負担率)というものがあります。これは、借りる人の年収に対して、年間返済額の割合のことです。返済比率が基準を超えた場合、返済負担が重くなり、返済が滞るリスクが高まるため、融資が受けられません。
「借りられる金額」についてですが、目安となる返済比率は、金融機関によっても異なりますが、一般的には30%~35%程度 となっています。ご相談者の扶養手当などを引いた年収を540万円と仮定します。そうしますと、「540万円×35%」=189万円が年間返済額の上限となります。月々だと「189万円÷12ヶ月」=15万7500円が毎月返済額の上限ということです。