はじめに
では「返せる金額」の目安は?
では、「返せる金額」はどうでしょう。
こちらは世帯によって普段の生活費が異なるので、若干の差はありますが、安心して返すことを考えると、返済比率20%~25% に抑えた方が良いでしょう。ご相談者の場合は、「540万円×25%」=135万円となり、月々「135万円÷12ヶ月」=11万2500円となります。
検討している物件の管理費や修繕費が、2万5570円~2万7570円となります。今後上がる可能性もあるので、3万円程度と仮定すると、「11万2500円―3万円」=8万2500円となり、月々の住宅ローンの返済額の目安は8万2500円/月程度に抑えた方が良さそうです。
この時の注意点として、住宅ローンを組む際に35年で組む方が多いですが、組む年数は35年で良いとしても、上記返済比率に抑えるのは、退職までの返済期間で考えたほうがベターです。すなわち、ご相談者の場合は、65歳まで働くと仮定すると30年となるので、30年ローンで8万2500円/月以内に抑えましょう。フラットなど固定金利を1.3%(2020年5月末現在)、30年ローンで計算すると、約2450万円の住宅ローン借り入れとなります。
よって、ご相談者については、頭金や諸費用を考慮した上で、2450万円以内の住宅ローンに抑えたほうが良さそうです。
シングルマザー・ファザーが住宅購入で気をつけたいこと
マンションの金額以外にも考慮すべき点があります。
シングルマザーやシングルファーザーは、今後ライフプランが変化する可能性があります。再婚をして、さらに子どもが増えるという可能性や、将来子ども達が自立し、1人で住むことになる場合、またご両親が亡くなったあとのご実家をどうするかなど、今後の不確実な要素を考えると、今回の住宅購入を考える際には、ライフプランが変化した時にも対応できるよう、貸しやすい物件や売却しやすそうな物件を選ぶことも重要となります。
その為には実家の近くという条件もありますが、それに加えて駅からの距離や、住む地域なども考えた上で、物件を選びましょう。なかなか条件に合致する物件が見つからないかもしれませんが、焦って購入をしてしまい、のちのちローンを抱えたマンションを持っているがために、ライフプランが変化した際に、選択肢が限られてしまう方も多くいらっしゃいます。
シングルマザーだからこそ、より慎重な物件購入をおススメします。
最後に……
ご相談者は養育費や扶養手当をしっかりと貯蓄に回しており、堅実に資産形成をしています。これからかかる教育費やご自身の老後を見据えた上で、しっかりとしたライフプランを立て、その中で悔いのない住宅購入を目指していただきたいと思います。
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