はじめに
家計のダイエットには、まずは固定費から
家計の支出には、固定費と変動費があります。
節約することを考えると、よく「食費」「水道光熱費」などに焦点が当たりがちですが、これらは努力することで支出を減らせる変動費。日々かかる支出が多く、簡単に上下するものです。つまり、モチベーションが維持されている時は支出を抑えられますが、面倒になったり、飽きてしまったりすると、あっという間にリバウンドしてしまいやすい性質のものです。節約することが習慣化されてしまえば問題はないのですが、なかなか継続が難しい部分があります。
一方で、通信費や教育費、生命保険料などの固定費は、一度見直して支出額が抑えられると、努力をしなくても長く支出を下げられるものです。多くは月に1度程度、決まった金額の支払いになります。時代により契約可能な新しいプランが出ますから、暮らし方や家族構成が変わった時、今の状況からみて「この契約でいいのかな」と思った時をきっかけに見直しをしてみると、意外と支出額が下げられることがあります。
また、この固定費の仲間になりがちなのが、クレジットカードの分割払いなどです。相談者さんは小遣いの中からのクレジットカードの支払いが固定費化していないでしょうか。もし思い当たることがあれば、早めに完済してしまい、毎月自由にできるお金を増やすことをお勧めします。そうすると、自分の収入からiDeCoの掛け金の支払いをしていくことも可能になるでしょう。
今後は可能な限り家計を一つに
これまで生活費は出し合ってきたということですが、一緒に合わせる部分が少ないために、家計の全体像がわからなかったのではいかと思います。そのために家計がメタボ化したとも考えられます。
今後はお子さんの教育費の問題も出るでしょうし、できるだけご夫婦で風通しの良い家計作りをしていきましょう。全てのお金を完全にオープンにしなくても、収支の状況や貯金額を報告し合うというだけでも全然違います。ご夫婦なのですから、自分自身の貯金を増やすと考えるよりは、「家庭の貯金を増やす」という気持ちで取り組むべきです。
相談者さんがお悩みのとおり、老後資金は自分で貯めなくてはいけませんし、その前にお子さんの教育費の準備もあります。ご夫婦が各自で動いていると、このような家族の目標のために貯めるということがうまく進みません。
なんのために貯めるのかという目標を共有し、貯めるためにどの支出が必要で、どの支出を抑えていくのかを互いに認識できれば、家計も改善しやすくなると思います。まずは、共有することから始めてみてはいかがでしょう。
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。