はじめに

給与への影響はこれから出てくる

また前述の「家計調査」で報告されている実質可処分所得の推移を見てみると、まだそれほど家計への影響は見られません。もちろん、少しは可処分所得が落ちている兆しも見えますが、企業業績や経済指標の悪化幅に比べると、まだまだ今後は可処分所得も悪化してもおかしくないと考えられます。

3

そろそろ夏期のボーナスが気になる時期ですが、夏期のボーナスに新型コロナウイルスが与える影響はそれほど大きくはないでしょう。中小企業や影響が大きかった宿泊業や観光業では急遽ボーナス額の減額もあるかもしれませんが、多くの大企業は3月末までの業績を基に支給額をだいたい決定してしまうため、大きな影響を受けるのはむしろ年末賞与、冬のボーナスになると思います。

V字回復はできるのか?

これまで見てきたデータに基づけば、消費がこれからV字回復をするには暫く時間がかかりそうです。内閣府が発表している「消費動向調査」によれば、消費者態度指数は4月に底を打ったようにも見えます。

4

雇用環境が悪化したり、手取りの給与や可処分所得が減少していくのはこれからと考えられるため、何かしらの政策支援が求められるでしょう。一律10万円の現金給付が行われましたが、それだけでは足りず、具体的には消費減税が求められると考えます。

しかし、これは国が決めることですので、実際にどのような政策が行われるかは分かりません。そこで、私たちができることは、家計に無駄な支出がないか、浪費してしまっているものはないかなど、消費活動の見直しをすることぐらいでしょう。一見、たいしたことのない対応に見えるかもしれませんが、家計簿アプリなどで自分の1ヵ月の消費行動などを観察すると、無駄な支払いが発生していることもよくあります。これを機に消費活動の見直しをしてみましょう。

(文:株式会社マネネCEO / 経済アナリスト 森永康平)