はじめに
IT・ウェブ関連はコロナで優位性が強まった
――新型コロナウイルスで相場が荒れている中で、市場ではコロナ後の銘柄選びに興味が移っています。注目している業種はどんな業種ですか。
1つは、ITやウェブ関連です。スーパーマーケットや量販店の市場がアマゾンなどに置き換えられてきた過去からも分かる通り、もともとこの分野は優秀な企業が多く、大量の商品を効率よく売ることができます。プラットフォーマーとして認知されれば競合を退けることができますし、アマゾンプライムのようなサブスク型ビジネスをくっつけやすいといったビジネスモデル上の優位性もあります。コロナを機にITやウェブの活用が進んだことで、特徴や優位性がさらに浮き彫りになりました。引き続き成長が期待できる分野で、株価が伸びる銘柄も多く見つかるだろうと思っています。
もう1つは、市場の成長性やビジネスモデルが良い会社で、コロナ影響で業績が落ちた銘柄です。例えば、ホテルなどの旅行関連、飲食店、不動産関連などが挙げられるでしょう。就職市場が不調になると人材派遣やマッチングの会社も業績を落とすことが多いので、コロナ後の回復を見込むという点では、そのような業種も狙い目ではないかと思います。リーマンショックの時も中堅の転職斡旋会社の業績が悪化し、株価が急激に下落したことがありました。
しかし、このタイプの会社は人員を削減することによって割と簡単に赤字から脱出できます。立て直しが進めば株価も戻りますし、実際、この会社の株価もリーマンショックからの数年で数十倍になっています。コロナの影響を一過性なものと捉えるのであれば、業績復活を見越して銘柄を探すのも面白いと思います。