はじめに

実は「トランプラリー」も

米市場において起こった、2015年夏の大きな下落や2016年12月から2017年1月の急落の要因は、FOMCの政策と考えられます。

米国での利上げによって新興国などのリスクが増大するとの思惑が働き、安全資産として円が買われ、円高を嫌気して株が売られる、ということになったのです。

日本でとくに影響が大きかったのは、“大量の資金を市場に放出する”という2013年4月の「黒田バズーカ」と言われた金融緩和策です。

同年10月「黒田バズーカ第2弾」として行われた想定外の追加緩和は、株価を一気に上昇させました。

米国の金融政策は日本株式市場にとって決してよい影響ではなかったのですが、昨年12月の利上げの影響は「トランプラリー」というかたちで株式市場の大きな上昇として現れました。

米国の利上げが確実視されるなかで、新大統領が決定し、「債券から株式へ」という流れが生じたのです。

中央銀行の仕事はお金の流れをコントロールすること

利上げをするということは、つまり債券の価格が下がるということ。

債券の価格が下がることを心配し、「値段が高いうちに売っておこう」と債券が売られました。

また、利上げが行われるということで、背景に企業業績などが好調で景気がよいという経済情勢が想起され、債券を売った資金が一気に株式市場に流れ込んだというわけです。

加えて、トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」と連呼。今後、米国の景気はさらによくなり、現地の日本企業もその影響を受けるだろうと、日本の株式市場も大きく上昇することになりました。

このように、金融政策によって株価や債券の価格は大きく変わることがあります。

こうして、お金の流れをコントロールするのが日銀やFRB、ヨーロッパではECB(欧州中央銀行)といった「中央銀行」の役目なのです。

そして、その一国の金融政策が、ほかの国へも大きな影響を与えるのです。

つまり、株式、債券、金融商品、為替などの動向を見る上では、ひとつの国だけでなく、世界各国の金融政策、とくに金利動向を気にしておく必要があります。

今回発表された、米国の利上げ、日本の現状維持という政策は、事前にある程度想定されており、とくにサプライズもなかったということで、市場はあまり影響を受けませんでした。

ただ、大まかな傾向として米国でインフレ懸念は出ていないですが、金利は上昇傾向。日本や欧州でも、さらにここから金利が低下するのでは、とささやかれています。

そして世界的な金融緩和からくる「金余り」が、世界的な株高につながる。

目先、株価や金利は右往左往することもあるでしょうが、株価も金利も大きな流れとしては上昇というのがいまの流れです。

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