はじめに
「老後2000万円問題」が話題となってから、老後に備えた株式投資に関心を持ったという人は多いのではないでしょうか。
とはいえ、実際に個別の銘柄を売買するのは初心者にとってハードルが高いものです。まずは気に入った銘柄を探し、腕試しから始めてみるのはいかがでしょうか。
個人投資家の悩み
「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」といった言葉が話題になり、「将来の人生を考えて投資を始めた」という個人投資家は少なくありません。
投資初心者が直面する悩みは「どの銘柄を購入すればいいのかわからない」こと。そして、この悩みは初心者だけでなく、ベテラン投資家を含む個人投資家全員の悩みといえるはずです。
新型コロナウイルスが感染拡大する中で、様々な業界がコロナ禍による影響を受けており、購入銘柄の選択に対する悩みが強くなった個人投資家も多くいるのではないでしょうか。
参加者の「投資アイデア」から学ぶ
そんな中、個人投資家の悩みの解決策の1つとして、株式会社クリプタクトが提供するサービス「アイデアブック」があります。
その内容は、「コロナ禍でマスク需要が高まっている。マスクを作っている会社は良さそうだから、ユニ・チャームを100株買ってみる」といった自身の考えた投資アイデアを投稿できるサービスとなっています。
例えば、ユニ・チャームを4,390円で100株、NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信を790円で100株買う、というような投資方法を「投資アイデア」として投稿できます。
「投資アイデア」はリアルタイムの値動きにより、投資成績が表示。投稿したユーザーごとの成績をもとにランキングとして公開されます。そのため、ランキング上位のユーザーによる投資アイデアを自分の投資の参考にする、という使い方が可能です。
投資をしない場合でも、アイデア投稿を通して、「お金をかけない投資体験」をすることができます。投資初心者や投資資金に余裕がない人は、まずアイデアブックで自分の考えた投資方法を試してみるのはいかがでしょうか。
成績が良かった場合は実際に投資をするうえでの自信になります。一方、投資成績が悪かった場合は、実際の損失を出さずに失敗から学ぶことができるでしょう。
アイデアブックは、株式会社クリプタクト代表取締役である斎藤岳氏の「12年間にわたる機関投資家としての運用経験」から生まれたサービスです。斎藤氏はゴールドマン・サックス証券にて最大800億円という規模で投資運用を担当していました。
斎藤氏にこのサービスを立ち上げたきっかけと、サービス開始後の手ごたえについて伺いました。
元機関投資家が考える“投資のコツ”
――サービスを開始してからどのような反応がありましたか。
斎藤氏(以下同):サービスをローンチして約1ヶ月、おかげ様で561個(2020年6月26日時点)のアイデアが投稿されています。私もあえて実名で投稿していますので是非見てみて下さい。現時点で、比較的長期の視点でのアイデアを中心に解説付きで12個投稿しています。
斎藤 岳:株式会社クリプタクト 代表取締役。斎藤氏のアイデアブックはこちら。
――実際の投稿の中で、何か印象的なアイデアはありましたか?
面白いと思った投稿は、「虫よけスプレーとか殺虫剤の需要増える?」という投稿です。日常で感じたことからフマキラーが伸びるのでは、と予測されています。
実際にお金をかけて投資をするにはハードルが高いけど気軽に試してみたい、ということで投稿されていて、数週間で13%(2020年6月18日時点)も上昇しています。投資初心者の方には、まずはこのように投資を体験してみてほしいと思います。
――機関投資家時代、斎藤さんはどのように投資銘柄を考えていましたか?
投資のきっかけは同じような感じでした。ニュースや雑談から、ちょっと先の未来を予測する。その未来になるとしたら、どの企業の業績がいいかを銘柄に落とし込む、という流れです。そのアイデアをベースにチームメンバーと議論していたので、アイデアブックでも同じように活発に議論してもらいたいです。
投資のプロも「真似」から始める
――アイデアブックの発信者は匿名の人も多いといいます。どのように信頼性を出しているのでしょうか?
私のような機関投資家が同僚と情報交換をしていた場合は、互いの「人柄、考え方、過去の発言」がわかっている。だからこそ信用できました。
一方、個人はネットで投資に関する情報収集を行うのが多いと思います。発信者のほとんどが匿名ですし、過去の発言もなかなか追えません。ひょっとしたら不都合なことは消していたり都合よく書き換えているかもしれません。
アイデアブックも匿名で参加できますが、発言の信頼性を担保するために、「一度投稿したアイデアは消せない」という仕様にしています。
それによって平均リターンや打率(成果率)など、ユーザーの「投資成績」は操作することができない、信頼性のある数字となります。例え匿名の投稿であっても、平均リターンが高い人は比較的信頼できる、という見方ができるはずです。
――投資を検討している人や投資初心者は、アイデアブックをどのように使用すればよいでしょうか?
いきなり投資のアイデアを考えて投稿するのはハードルが高いかもしれません。
まずは他の人の投稿を見て、共感できるものがあれば真似してみてください。プロの投資の世界でも、真似から始めることはよくあります。投資で100発100中ということはありえません。失敗を恐れるのではなく、投資体験を繰り返す、ということが大切だと思います。
アイデアブックではどれだけ失敗しても問題ないので、安心して自分の成長のためにアイデアを投稿してください。ランキングが上がると自信にもつながります