はじめに

クレジットカード決済は、磁気ストライプを利用する決済からICチップ決済へ、そしてタッチ決済へと進化をしています。セキュリティーと利便性の向上です。日本クレジット協会の調査によれば、2019年には73兆円以上のクレジットカード決済が行われていますが、さらなる普及には、より安全で便利であることが求められるでしょう。(一般社団法人日本クレジット協会調べ「年次統計:クレジットカードショッピング」2019年)

最新のタッチ決済はどんなもので、すぐに取り入れるべきなのかを解説します。


クレジットカード決済の今と昔

はじめに、クレジットカードの決済方法について、今までの変遷を見てみましょう。当たり前のように使っているクレジットカードですが、その決済方法は時代とともに移り変わってきました。

エンボスカードとインプリンター

現在に通じるプラスチック製のクレジットカードは、1960年に設立されたダイナースカードが発行したものが最初だと言われています。1961年には今のJCBが設立され、その後は都市銀行を中心に、多くの銀行系クレジットカード会社が生まれました。

クレジットカードの表面には、カード番号、有効期限、名前などがエンボスと呼ばれる浮き彫り加工で印字されていて、今でも同様のカードは多く作られています。

その頃の決済には、インプリンターというカード読み取り機を使っていたといいます。カードをインプリンターにセットして、さらに複写になっている売上票を重ね、カード情報を売上票に転写します。それから、売上票に日付、購入内訳、金額、担当者名、売り場などを店員が記入した後、内容を確認して署名の後、お客様控えをもらう、という流れです。

現在の通信を使った決済方法と比べると、かなり時間と手間がかかりますが、インプリンターは無くなってはいません。災害などで通信障害がある場合にも利用できるからです。

しかし、いざという時に使えるメリットはありますが、利便性が良いとは言えず、またカード番号などの情報が売上票に印字されて残るのも、セキュリティー面で不安な決済方法と感じるかもしれません。

偽造カードや、有効ではないカード(限度額超えなど)かどうかも、カード会社に電話確認しなければわからない不便さがありました。

磁気カードとCAT(信用情報端末)

1980年ころになると、クレジットカードのオンラインシステム(=CAFIS)と、そのシステムへ通信することでカードの有効性と決済ができる端末(=CAT)が普及しました。(初期のCATには決済機能はなし)

伝票などに印字されるクレジットカード番号は下4桁などの一部のみになり、有効なカードかどうかもオンラインで確認がとれます。CATを利用した決済は安全性が高まり、手間を軽減することにつながったため、クレジットカードが急速に発展した背景のひとつとされています。

CATは、クレジットカードの磁気ストライプを読み取らせるスキャナーがついていて、読み取った情報を元に、クレジットカード会社と通信します。インプリンターと比べると画期的でしたが、その後スキミング被害が多発したことで、磁気ストライプからICチップを付けたクレジットカードへと転換がはかられます。

ICカードとIC対応端末

ICとは「Integrated Circuit」の略で、微細な集積回路のこと。つまりICカードとは、集積回路を内蔵したカードのことで、磁気カードに比べて偽造が困難であるためセキュリティー面に優れ、また多くの情報量を記憶させることができます。

2018年に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)※経産省資料」では、販売店のクレジットカード決済端末をICカード対応するなどのセキュリティー対策が義務付けられました。

ICカードの決済は、署名ではなく4桁の暗証番号を入力する方法がとられ、決済にかかる時間や手間がさらに軽減されました。店頭での支払い時に、クレジットカードを手元から離さない点も安全性を高めています。

ただ、それでもカード番号などが表面に印字されていることを危惧する人も。実際、インターネットショッピングなどではカード番号と有効期限、氏名の情報だけで買物をすることもできます。キャッシュレス決済が広まり、取り出す機会が増えたことで、気になりはじめた人も多いのではないでしょうか。

非接触型カードでタッチ決済

そこで注目されているのが、タッチ決済ができる非接触型カードです。非接触型のクレジットカードは、カード番号などのエンボス加工での印字がないタイプもあり、その場合はカード番号、有効期限、氏名などはカードの裏面に印字され、表面にはICチップがあります。

決済は、読み取り機にかざすだけ。電子マネーのSuicaやnanacoのような感覚で、署名も暗証番号の入力も不要です。ただし、一定金額を超える決済の場合はその限りではありません。また、タッチ決済の端末を設置している店舗での決済になります。