はじめに

東大合格には中高一貫校の方がメリットが大きい

さて、タカの目さんの次の疑問「東大への進学実績を急速に伸ばしてきた学校には、その秘策のようなものはあるか」、という第2問に移ります。

これは第1問で明らかのされたアドミッションポリシーに対してどこまで正面から取り組めるか、というように考えればよい問題です。結論から言えば、3年でやるより6年でやるほうが対応しやすいということです。

わが国の学制は中学と高校の2つに分かれていて途中に高校入試があり、ここで分断されていますから、なるべくスムースに数学なら数学の学びを6カ年を通じて学べるに越したことはありません。そうなると中高一貫校が対応しやすい分だけメリットが大きいことになります。そのことはつい最近でも都立に中高一貫校が一挙に11校もでき、それぞれが東大実績をいきなり相当数出したことみれば明らかです。

でもそれが<急速に>できるには何か秘策があるのでは?ということをタカの目さんとしては知りたいわけですね。

合格数の急増に精神的成長の早い"女子の戦力"は不可欠

私見では最も「急速に」東大合格者大量排出校になったのは豊島岡女子学園ですね。さらに言えば共学の渋谷教育学園幕張、いずれも女子が「戦力」になっています。東大はご存知のように事実上男子校ですから、男子校のライバル校はたくさんありますが、共学校や女子校はライバルが公立校だったり、そもそも女子校は理系向きが少なかったりで、優位な競争戦略がとれたからです。

さて、これらの実例から導かれる「秘策」は何でしょうか。たとえば戦力化した女子は通常スイッチが入るのが高1ではなくて中3です。それだけ精神的成長が早く、よって戦闘モードが早くとれるのです。

この女子の先行がムードメーカーになって男子に影響するというのが成功モデルです。通常、男子校男子の戦闘モード入りはいわゆる御三家でも高2から。多くの男子にとって男子校のタイムスケジュールの方が精神的成長が合っているかもしれません。

都立一貫校の「秘策」は、中高一貫校化による中1、中2での「学習のしつけ」もさることながら、やはり私立にない適性検査による入学が大きい。偏差値でなくて(つまり相対評価ではなくて)、達成度評価なので自尊感情も冷やさず自己肯定感をもって入学することができる。モリの目からみると、そこが結構大きいと思います。

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