はじめに

東大は他の大学と何が違う?

<モリの目>(森上展安)

タカの目さんの今回のお題は、そのものズバリの直球ですね。次々と沸く疑問のうち、とりあえず2つの疑問に答えてよ、ということですので、お答えしやすい2番目から参りたいと思います。

「そもそも"東大への道"はほかの大学とどう違うのでしょうか」を先に。

正攻法で申し上げると、これは実に簡単にお答えできます。それは東大自身がHPに公表しているからです。東大のHP(「よくある質問」→「学部入学」)を見ていただくと、「高等学校段階までに身に付けてほしいこと」というメッセージが掲載されています。

たとえば、数学のところには"「数学的に問題を捉える能力」は、単に定理・公式について多くの知識を持っていることや、それを用いて問題を解く技法に習熟していることとは違います。そこで求められている力は、目の前の問題から見かけ上の枝葉を取り払って数理としての本質を抽出する力、すなわち数学的な読解力です。"とあります。

オーソドックスこそが王道

特に前段の文章はいわゆる受験勉強を真っ向から否定していて痛快ですね。そして後段の「見かけ上の枝葉を取り払って」これが難しい。どうしても凡人は見かけたことを手掛かりに考えよう、とします。「数理として本質を抽出する力」こそ身に付けてほしい、と続くのですが、ご説ごもっとも、なのですが、それはどうすれば身につくのかと思わず声がノドまで出かかってきますね。

でもこのメッセージを読んでテクニカルなトレーニングをつむのではなく、ひたすら本質を抽出する、追求すればよいのだ、ということは明瞭でしょう。もちろん、これだけではなんのことかわかりませんから実際の問題を解いてみるとよいのですが、特に文系の数学を解いてみると上記のポリシーがストンと腑に落ちます。特に「見かけ上の枝葉」に触れている一文のところがハハーンこれを言っているのだと具体的にわかります。

このようにメッセージとこれに対する実際の出題とを行き来してみると、東大の求めている「東大への道」が究めてオーソドックスは王道だ、ということがよくわかります。あえてテクニカルに言えば「見かけ」に目を奪われないよう初見の問題に挑戦することを心掛けるとよいでしょう。

ということで「東大への道」は東大自身が公式に表明している通りで、独自というよりごく真っ当でどの大学に進むのにもよいアプローチだ、と言ってよいと思います。

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