はじめに

相対的に人出が増えている?

一方で、銀座線・虎ノ門駅の周辺はどうなっているのでしょうか。「周辺滞在人口」を分析すると、同期間で34%減少と、虎ノ門ヒルズ駅と同様の結果になりました。

しかし、「周辺通行人口」は41%減少という結果で、虎ノ門駅は虎ノ門ヒルズ駅よりも周辺の通行人口が大きく減っていることがわかります。

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これは、虎ノ門駅の利用者の一部が、虎ノ門ヒルズ駅の利用に切り替えたということなのでしょうか。属性としては、40~60代の女性層の通行が相対的に伸びています。

技研商事インターナショナルの担当者は「GPSデータでは駅の利用者数が取れるわけではなく、駅付近の地上の通行人数を見ているため一概には言えませんが、まずはこれらの層が虎ノ門ヒルズ利用に切り変えた可能性がある」と言います。

さらに道路ごとに、徒歩で通行した推定人数を調べると、虎ノ門ヒルズ駅周辺は虎ノ門駅周辺に比べて減少率が低いことが判明。つまり、虎ノ門ヒルズ駅は相対的に人出が増えていると言えそうです。

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前出の担当者は、「コロナ禍があるうえ、オフィスワーカーの場合は定期券の買い替えがすぐには進まないため、まだ開業効果は限定的と言わざるを得ない。しかし、今後時期を追うごとに虎ノ門ヒルズ駅の利用が増えていき、周辺の再開発と相まって活性化が進んでいく可能性が高いのではないでしょうか」と分析します。

東京五輪に間に合わせるために、暫定的な開業となった虎ノ門ヒルズ駅。最終的な完成予定の2022年度には、見違えるほど賑やかになっているかもしれません。

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