はじめに
夏休み期間の短縮で登下校時の熱中症に注意
ネッククーラー・冷却タオルは、当社の分類で「熱冷却用品・用具」のカテゴリに属します。他にも冷却ジェルシートや、氷のう、冷却スプレーなどが該当します。発熱時の対処需要もありますが、夏場は、高い気温や強い日射しによって上昇した体温を下げる目的で購買されます。
熱冷却用品・用具の購入数と最高気温の関係を図3で確認すると、スポーツドリンクと似た形状ですが、熱冷却用品・用具の方が、30℃に達した後の気温上昇にともなう購入数の伸びが大きく、一気に売れる傾向です。最高気温の週平均値が30℃になる頃には買い揃えておきたいところです。
特に今年は、緊急事態宣言の発出にともない、休校措置がとられた多くの学校では、夏休み期間を例年より短縮するようです。普段なら夏休み期間である7~8月に学校に行くということは、炎天下の登下校が増えることです。
登下校時、帽子をかぶるだけでなく、ネッククーラーや冷却タオルなどを着用するなどの熱中症予防を心がけましょう。
※おおむね30℃以上の温度帯から一気に購入数の伸びが大きくなっています。
UVケア商品の購入は例年の4割ほど
3つ目の注目カテゴリは、UVケア用品です。UVケア用品は、季節の進みとともに気温が上昇していく時期(おおむね2月から7月)に、気温や日照時間の影響を受けて購入数が増減します。例年、4月頃から購入数が増えていきます。その頃から、本格的な屋外レジャーシーズンが始まるのに加えて、太陽高度が徐々に高くなることで地表面に降り注ぐ紫外線量も増えていくためです。
しかしながら今年の場合は、2月以降の新型コロナウイルスに関連した外出自粛要請等によって、UVケア用品の購買動向が少し異なっています。図4のように、2月半ば以降の購入指数の伸びが、2018年、2019年に比べると明らかに小さくなっています。当社調べでは大型連休直前の4月下旬、UVケア用品の購入数は2018年、2019年の平均水準の約4割にとどまっています(参考記事:「気象&購買データから見た“外出自粛”の影響」)。
梅雨明け前に準備しておきたい
5月下旬までに緊急事態宣言は全ての地域で解除され、6月には都道府県をまたいだ移動の自粛も緩和されましたが、その間に各地では梅雨入りが発表されました。梅雨期間中は曇や雨のぐずついた天気の日が多く、地表面に降り注ぐ紫外線量が減少するため、例年UVケア用品の購入数が一時的に停滞します。
今年、結局まだUVケア用品をしっかり買い揃えていない家庭もあるのではないでしょうか。直近でUVケア用品の購入数が急増しそうなタイミングの目安の一つが梅雨明けの発表です。梅雨が明けると晴天が続きやすくなるため、日照時間が増えることで需要が急激に高まります。
場合によっては、需要の急激な集中により一時的に店頭在庫に欠品が発生する懸念があります。梅雨明け前の7月上旬には是非とも買い揃えておきたいところです。
※2020年(紫色)の購入指数は、明らかに2018年(緑色)、2019年(赤色)と比べて下側に離れており、購入数の伸びが小さいことが分かります。