はじめに

年齢ゾーンで大きく異なる、夫の「ある行動」

最初に挙げた男性は「お金がたまれば、収入があがれば、結婚は可能だ」と考えている男性なのだろうと感じるのは筆者だけではないと思います。しかし同時に、この考え方に違和感を持つ女性も少なくないかもしれません。そのことを示すデータがあります。

今回は国の研究所が5年に1度実施している調査対象選定の信頼度の高い大規模調査「全国家庭動向調査」の最新データ、第6回調査(2018年実施)のデータを見てみたいと思います。1,106の国勢調査区の中から無作為抽出した300の調査区に住んでいる「結婚経験のある」女性が調査対象となっています。有効回答は9,790人、うち有配偶女性は6,142人です。

この6,142人の有配偶女性のうち、60歳未満かつ、質問票にあるすべての「夫の家事分担」について回答した3,109人の女性についてのデータをご紹介します。回答女性の年齢ゾーン別に、夫が日常的に「家事に参加しているか」を家事の種類別に示したグラフになります。

回答数は29歳以下女性146、30代女性764、40代女性1,111、50代女性1,088と世代別のサンプル規模に偏りはありますが、各世代の母数としてはそれなりの母数といえます。

この調査では、有配偶女性に家事のほかにも様々な角度から質問をしているのですが、世代間で特に大きな回答差が出ているのが「夫の家事参加」についての以下の回答でした。

夫が週1-2回以上家事を遂行した割合

まず、どんな家庭でも必ず発生するゴミのゴミ出しについては、29歳までの妻の夫の70.6%が週1~2回以上遂行している、という回答です。
つまり20代まで妻を持つ男性は、毎日ではなくとも、定期的なゴミ出しは当たり前となっている、という結果です。

しかし、30代妻では55.4%、40代妻では46.4%、50代妻では43.3%とむしろ「ゴミ出しはやらなくて当たり前」の夫の割合がどんどんと増えていきます。20代まで妻とほぼその親世代の50代妻とでは、実に27.3ポイントもの大きな格差があります。

同様に、日常の買い物、部屋の掃除、風呂洗い、洗濯、食事の後片付け、についても20代まで妻では、2人に1人の夫は定期的に参加している、ということがデータからはみてとれます。しかし、50代妻となると、日常の買い物以外は2割から3割台をうろうろしているという夫の参加状況です。

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