はじめに

スーパーカー並の加速性能

ではそれぞれどんなパフォーマンスなのでしょうか。ベーシックなモデルとして用意された「4S」の最高出力は530馬力、最大トルクは640N・mで、その加速性能0~100 km/h加速は4.0 秒です。次に中間グレードの「ターボ」ですが最高出力は680馬力、最大トルクは850N・m、加速性能0~100 km/h、加速は3.2 秒です。そして強力のターボSは最大出力761馬力、最大トルク1050N・m、加速性能0~100 km/h加速は2.8 秒ということになります。なお、この各モデルのパフォーマンスですがローンチコントロール(自動制御装置)を働かせた場合のものです。

ポルシェ タイカン透視イラスト。前後にモーターの間の床下にバッテリーが搭載される

そのオーバーブースト出力によって実現するその加速性能はスーパーカー並の強烈さです。比較としてアメリカのテスラ・モデルS(パフォーマンス)ですが0~100㎞/hが2.5秒という速さですから、確かにそれには及びませんが、それでももの凄い加速性能です。

またEVにとっては大きな関心事である“満充電による航続距離”は4Sが333~407km、ターボが450km、ターボSが412kmです。あくまでもメーカーが公表した最大値ですから実際にはここまでの航続距離は難しいとは思います。現実的には300km台中盤の航続距離だと思います。

タイカンの各モデルには前後アクスルに1基ずつ、合計2基の永久磁石シンクロナスモーターが搭載されています。そしてリアアクスルには新開発された自動切換式の2速トランスミッションが装備されているという少々、凝ったつくりになっています。当然、効率性やスポーツ性を重視し、走行モードにあわせて4輪を最適に駆動するようにコントロールされる、4WDです。

ポルシェ タイカン空冷モデルのオーナーにとってはちょっぴり懐かしさを感じさせるダッシュボード

さらに高性能バッテリーをアンダーボディに内蔵することによって、重心はより低くなり優れたドライビングの感触が得られます。実はポルシェのガソリンエンジンは、ご存じの通り、重心が低い水平対向エンジンです。実際に走ればこれまでのポルシェが作り上げてきたドライビングの感触に近いものがEVでも表現できていると期待できるわけです。

ポルシェというのはどの時代も“ポルシェらしさ”を失わず、それがブランドとしての誇りでもあったわけです。まだ実際には試乗テストを日本で行っていませんが、多分、ポルシェの走りの伝統はEVであっても不変だと期待できるでしょう。

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