はじめに
注目メーカー「ヤマシンフィルタ」
建設機械の需要増加では、機械本体に欠かせないろ過フィルタを開発するメーカーとして、ヤマシンフィルタ(6240)を紹介します。
建設機械の作業現場にはホコリやちりなどが付き物ですが、建設機械を動かす油圧オイルにも細かい汚れが混ざり込ます。これらは作業の邪魔ですし、建設機械の寿命を縮める原因にもなる厄介者です。
ヤマシンフィルタは腎臓や肝臓の様に、汚れを取り除くための特殊なフィルタを提供する世界最大手、国内シェアも7割を持つ大手メーカーです。このフィルタは建設機械に欠かせないものですから、顧客は国内外の大手建設機械メーカーや、中国でも顧客拡大を続けています。
特殊フィルタは消耗品なので、現在の様に建設機械の需要や生産が増加する状況や、作業をする時間が延びる状況は、製品の売上増加に結び付きます。
自動車生産にも復活の兆し
中国の自動車生産は2019年が米中問題の影響、2020年明けからは新型コロナ感染症と厳しい環境が続いていました。しかし3月にはコロナ問題も小康状態に入り、自動車の販売台数の底打ちがみられ、工場従業員も職場に復帰しています。
チャートは中国最大の自動車生産地である、広東省の月産台数です。2月は前年同月比で8割減、3月は約5割減でしたが、4月は1%増とV字回復しています。
この動きは広東省に止まらず、中国全土でも5月の生産台数は220万台(前年同月比で約2割の増産)となって、回復のシグナルが点っています。現地に進出した日本車メーカーも、「4月は部品調達が難しくて、一部の生産ラインを停止した」のですが「5月は通常の生産台数、大きな減速感はない」となった模様です。
加えて一部では、「中国は6月も上旬は主要11社の自動車生産台数が順調に増加、自動車市場は当分の間、好調が続く」とする強気な見通しも出ているようです。