はじめに
新型コロナウイルスの感染を予防するため、日常的に行動制限が加わる「ウィズコロナ」時代、日本でも、オンラインショッピングやテレワーク、オンライン授業、遠隔医療などテクノロジーを活用したサービスが一気に広がっています。
今回は、ウィズコロナで加速する「Society5.0(ソサイエティ5.0)」について、解説したいと思います。
ソサイエティ5.0とはなにか
ネット(インターネット経由でアクセスする仮想空間)とリアル(現実社会)が融合し、新たなサービスを生み出す「超スマート社会」は、今後ますます拡大していく見通しです。これは、政府が「ソサイエティ5.0」として推進する新たな社会でもあり、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、第5段階の社会として位置づけられています。
ソサイエティ5.0は社会課題も解決する?
新たな社会である超スマート社会・ソサイエティ5.0は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながる社会です。
人間の能力を超えたAI(人工知能)が膨大なビックデータを分析し、その結果が人に戻されることで、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことができます。これまで解決できなかった社会的課題や困難を克服し、経済発展も同時に達成できる社会とも言えます 。
日本経済団体連合会、東京大学、GPIFの共同研究報告書によると、その市場規模は760兆円と予想されます。また、経団連は、ソサイエティ5.0が「課題解決」と「未来創造」の視点を兼ね備えた新たな成長モデルであり、国連で掲げられた「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」の達成にも大いに貢献すると考え、「Society 5.0 for SDGs」とのコンセプトを掲げて推進しています。
SDGsとは、2030年までに達成すべき国際社会の共通課題で、気候変動や教育・ジェンダーなどの格差是正、イノベーション(技術革新)など17の目標が盛り込まれています。