はじめに

トランプ政権による株高はどうなる?

第一にいえることとして、トランプ大統領の誕生がかつてない株高を演出した事実には揺るぎないものがあります。では、トランプ大統領が選出されたとき以外で共和党候補勝利のケースと民主党候補勝利のケースを比べるとどうでしょうか。

選挙後の半年間では両者に大きな差は生じていないことが分かります。つまり、どちらが大統領になっても、株価は上がるという傾向が見て取れるのです。比較的、短期の相場を占う上で、この結果には心強いものがあります。

他方、1 年後、2年後の株価パフォーマンスでは民主党に軍配が上がります。足元ではバイデン候補の優勢が伝えられていますが、「トランプ再選がベスト」と位置付けてきた株式市場にとって、「バイデン大統領」の誕生も決して悪い話ではないのかもしれません。

日本株に海外投資家が戻るか

日本国内でも新型コロナの感染が再び増加する傾向を見せていますが、マーケットの反応は冷静さを保っています。ワクチン開発の進展に期待を寄せながら、「with コロナ」の下で新常態を受け入れようとする投資家心理の変化を垣間見ることもできます。

新型コロナの新規感染者数が、緊急事態宣言解除後の最多を更新する一方、日経平均株価の方は昨年末水準に近づいています。日本の企業業績見通しの悪化には一抹の不安を覚えるものの、米国株が大きく崩れない限りは、日本株だけが大幅調整を迫られるというリスクは限られると見ています。

日米間の株価の相関は、足元でリーマンショック後の2009 年以来の高い水準を維持しており、両者の連動性は健在です。海外投資家の日本株売買動向(現物と先物の合計)は5 月後半以降に買い越し基調に転じてきましたが、買い越し額は1兆円ほどにとどまっています。

年初から5 月第2 週にかけての売り越し額がおよそ9 兆円に及んだことを踏まえると、買いの戻りはごくわずかです。米国株が堅調に推移すればするほど、海外投資家の間では、日本株を持たざるリスクが意識される可能性があります。引き続き、日本株に対しても前向きな取り組みが可能と見ています。

<文:投資情報部 チーフ・グローバル・ストラテジスト 壁谷洋和>