はじめに
バイデン候補がかなり有利な情勢
米国の有力な世論調査会社の調べによれば、現時点で有権者の支持はバイデン候補に傾いている模様です。直近でバイデン候補の支持率が50%前後であるのに対し、トランプ大統領の支持率は40%強で、両者の差は10ポイント程度開いたかたちとなっています。
4年前の大統領選では、民主党のクリントン候補が支持率調査で終始リードしていたものの、本番ではトランプ大統領に逆転を許しました。当時の分析では、見た目の支持率には表れない“何か”、すなわち“隠れトランプ支持派”の存在が、そうした大逆転劇を演出したとの見方が有力視されました。
しかし、前回の大統領選ならともかく、今回のトランプ氏はそうは言っても現職の大統領です。これまで隠れ続けた“隠れトランプ支持派”は、今では胸を張ってトランプ支持を表明している可能性もあります。だとすれば、現状の支持率は意外と実態に近いのかもしれません。
現時点で10ポイント近い支持率の差は、明らかにトランプ大統領にとって不利な情勢を物語っています。秋の大統領選に向けて、両者の攻防からは目が離せそうにありません。
過去の大統領選前後、株価はどう動いてきたか
次に、大統領選前後における株価推移の特徴についてまとめてみましょう。過去のケースを振り返ると、選挙前の約3 ヵ月は株価の変動性が低下し、狭いレンジでの値動きとなる傾向が強いようです。もともと、夏場から秋口にかけてのこの時期は、方向感の出にくい季節性があり、膠着感が強まる展開も予想されます。
一方、大統領選後の株価推移について見ると、その動きは大統領選前とは対照的で、株価が動き始める様子を確認できます。1976 年以降に行われた大統領選は、直近のトランプ勝利の回を除けばトータルで10 回。共和党と民主党でそれぞれ5 勝ずつと星を分け合っています。