はじめに

日本の経済回復は他国より遅れる?

懸念されるのが日本の回復の遅れです。6月のサービス業PMIは4月の26.5から5月の45.0へと急速に回復した後、6月は45.2とほぼ横ばいにとどまりました。米国の49.6やユーロ圏の55.1を下回り、他の先進国と比べて日本経済の持ち直しが遅れる可能性が示唆されています。

6月下旬以降の感染数の再加速を受けて、東京都をはじめとした一部の自治体では首長が独自に外出自粛を呼び掛けており、7月22日から始まった政府の観光支援策「Go To トラベル」事業も盛り上がりに欠けるなど、経済再開の機運が急速にそがれています。

一方、感染再加速からほぼ1ヵ月たった7月下旬になっても重症者や死者の増加は緩やかで、政府は「医療体制がひっ迫する状況ではない(安倍首相)」と繰り返しています。WHOなどは気温低下による第2波に警戒を呼び掛けていますが、夏の経済再開が不十分なまま秋以降に医療体制のひっ迫をもたらすような本格的な第2波が到来し、再度の行動制限に踏み切らざるを得なくなった場合、V字回復どころか地方の中小飲食、観光業を中心に倒産が続出するおそれがあります。

新型コロナウイルスに対してはワクチンができる保証はなく、できたとしてもインフルエンザのようにある程度の被害は免れず、今後も流行と鎮静化を繰り返す可能性があります。「Withコロナ」がかなりの長期戦となる可能性も意識した上で、医療体制のひっ迫防止と経済活動の両立が求められます。

新型肺炎感染、死亡者数(日本)

<文:ファンドマネージャー 山崎慧>