はじめに

難関校を中心に海外進学を目指す生徒が増加

<モリの目>(森上展安)
先日、雑誌の取材で石角友愛さんというシリコンバレーの若い起業家に座談会にお越しいただいた(といってもアメリカからのZOOM参加)のですが、彼女はお茶の水女子大附属高校在学時16歳のときに米西海岸のボーディングスクールに留学。

理由は「社会のことにすごく疑問や怒りを感じた15~16歳の頃(中略)何のために勉強していたのかが分からなくなり(中略)現状を変えたいという思いで留学をしました」と述べておられます。

彼女のような高校からアメリカのプレップスクールや英国のボーディングスクールに進学する流れが少ないながらもあり、一方でタカの目さんの記事にあるような日本の難関高校を卒業して、大学で海外大学へ行く流れは私立国立の難関校中心に伸びているのはご指摘の通りです。

後者は高校の実績ということで外部にその変化が伝わりやすい面があります。ボリュームとしては広尾学園が実績校として最大でしょうか。前者の石角さんのような留学は多くはありませんが、なるべく高校からの留学を勧める経験者もいます。

コロナの影響で一時的に海外進学者は減る?

さてタカの目さんの関心はこうした海外大学進学への流れが国内進学にどう影響するかという点におありです。

この問題は今回のコロナで急に視界が曇ってきたように思います。アメリカでコロナが収束せずに授業がオンラインに切り替えられ、留学生のビザが発行されないという騒ぎが起こったことはご存知の通りです。つまり当面は海外大学進学を回避する動きになると考えられます。

海外ニーズは当然ながら国内ニーズに振り替えられますが、日本の入試は4月、向こうは9月ですから、受験生は東大なりに合格しておいてから米大を目指すことになり、国内の合格事情には影響が出ないだろうと思います。

そして海外ニーズが途絶えるかといえば、タカの目さんが校名を挙げた実績校に対し、米大のアドミッションオフィスが働きかけていますから、そういうこともないと思います。

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