はじめに

26歳からの2年間で資産5,000万円、現在は5億円の総資産を持つ不動産投資家の束田光陽さん。30歳のとき、初めて“1億超え”の物件を購入します。そして、ここでも現在に続く不動産投資の必勝法を覚えたとのこと。前回に続き、束田さんの投資エピソードを紹介します。


長期保有の不動産は、購入額と売却額の差で判断しない

――これまでは初期の投資エピソードを伺いました。それ以降も含めて、特に思い出深い物件はありますか。

初めて1億円を超える物件を購入した時ですかね。2006年、30歳でした。今まで34軒の物件を買いましたが、特に印象的です。買っておきながら「もし失敗したら」と考えて、夜も眠れなかった(笑)。手が震えて、人生終わるかもと思いましたよ。

――どんな物件だったのでしょうか。

東京都心に近い立地の大型一棟で、1億800万円で購入しました。それまでの実績が認められて、初めてフルローンでの購入です。30年ローンで、1億800万円はすべて借金、諸費用以外は頭金ゼロです。購入後は入居者も安定し、家賃収入も得られました。そして9年経った2015年には売却したのです。売却額は1億400万円。購入額から400万円のマイナスでした。

1億800万円で購入し、1億400万円で売った物件

――価格が下がっているのに、なぜ売ったのでしょうか。

いい質問ですね。では問題です、なぜ僕はマイナス400万円で売却したのでしょうか。ヒントは、これまでの説明のどこかにあります。

――なんでしょうか(笑)。大型一棟、頭金ゼロ、フルローン……

ポイントは「フルローン」です。フルローンだからこそ、マイナス400万円が大きな利益になるのです。

――どういうことでしょうか。

購入当初は1億800万円あったローン残高は、売却時には、7000万円まで減っていました。3分の1は返済していましたから。もちろん、その間に家賃収入を得ているので、今までのローンの多くは家賃でまかなえています。なにより頭金ゼロなので、それまでに自分で支払った金額は少ないと言えます。

この状況で1億400万円の売却機会がやってきました。確かに、購入額からはマイナス400万円ですが、売却額とローン残高を比べたら、売った瞬間に3,400万円の現金が入ることになります。頭金ゼロであり、これまでのローン返済もほぼ家賃収入でまかなえている。それでいて、3,400万円の現金が入る。大きな利益が上がります。