はじめに

「その物件買わせてください」。ポストに入っていた切手なしの手紙

――なるほど、頭金なしのフルローンだからこそ利益になるんですね。

不動産投資は、物件の購入額と売却額の差(売却利益)に目がいきがちですが、長期保有の物件は、ローン残高と売却額の差額を見るべきです。それが利益になります。これは株式投資にはない側面ですよね。

もしも株式投資の信用取引で、1億800万円で買った株を1億400万円で売れば利益にはなりません。でも不動産投資では利益になります。これ以降、僕はこういった物件を複数保有しています。10年ほどの周期で売却すれば、どんどんお金が増えていく計算になります。もちろん、本当に売るかどうかは別ですが、売っても売らなくても利益を出せるという精神状態が重要だと考えています。

――そういうことですか。

ちなみに余談なのですが、1億400万円で私から物件を購入した買い手についても、かなり強烈な思い出があります(笑)。これもすごい話ですよ。

――教えてください(笑)

物件の売却を考えて2015年に不動産会社へ売却依頼を出したところ、すぐに自宅の郵便受けに“購入希望者”からの手紙が投函されていました。ただし、切手が貼ってありません。つまり、郵送ではなく直接僕の自宅まで来て投函したのです。おそらく登記簿に載っている住所を見たのでしょう。

――なぜそんなことを……

相当欲しかったのか、詳しくは分かりません。さらに封筒を開けると、システム手帳のページを破りとって、直筆で「購入させていただきたいです」と買いてありました。最後に名前と携帯電話の番号も添えて。文字もとても綺麗とは言えません(笑)

――怖いですね。どうしたんですか。

思い切って会ってみました。その人の勤める会社は典型的な不動産ベンチャーで、会社は一等地の近代的なビルの中にありました。汚い字の割には、会社は立派なところにあるんだなあと(笑)。

とはいえ、僕の物件を彼らに売却することには問題はありません。そう判断して、1億400万円で売却したのです。

不動産投資は「会社経営に近い」。手触りのある投資の良さ

――最後まで強烈なエピソードありがとうございます。3回の記事で束田さんの必勝法がよくわかりました。最後に、束田さんが考える不動産投資の特徴はなんですか。

投資は、時に失敗してしまうこともあります。ただ、不動産投資の良さはその失敗から多くの学びを得られることではないでしょうか。

不動産投資は、実物資産が相手だからこそ、物件を目で見て、手で触れて運用します。だから、何がダメでどう次に活かせるかを実感できる。周辺環境が重要だとか、5階の物件なら1階の状況にビビりすぎないとか(前回記事参照)

――次に活かすべき学びが多いということですね。

はい。あとは前に言った通り、工夫次第で中古物件をよみがえらせたり、価値を与えたりできる。会社経営に近いと思います。そういった点を魅力に感じる人は、不動産投資を学んでみると良いかもしれません。


束田さんが登壇! 不動産投資セミナーが2020年8月28日(金)に開催!
【講演名】激動のマーケットでも失敗しない不動産オーナーをめざすために知っておきたいイロハ
参加は無料、詳細はこちら

この記事の感想を教えてください。