はじめに

優れた株価パフォーマンス

ハンセン・テック指数は従来の香港ハンセン指数に比べて、構成銘柄が大きく異なるため、両指数の株価パフォーマンスにも大きな差が生じています。

例えば、今年ハンセン・テック指数の年初来騰落率は+49.1%と香港ハンセン指数の-10.5%を大きく上回っており、過去5年間で見てもほとんど期間においてハンセン・テック指数のほうが優れた株価パフォーマンスを示しています。

1 ハンセン・テック指数と香港ハンセン指数の株価パフォーマンス比較

もちろん、株式投資の世界ではリターンとリスクは表裏一体で、ハンセン・テック指数のボラティリティ(リスク)も相対的に高いのですが、中長期目線で見れば魅力的な投資対象であることに変わりはないと言えます。

中国のユニコーン企業が上場する動きも

近年、香港証券取引所による種類株(議決権の異なる株式)発行企業の上場容認や、米国政府による中国企業ADRへの規制強化を背景に、中国のユニコーン企業や大手IT企業が香港市場でIPOを行うケースが増えています。

直近では、今年6月にゲーム大手のネットイースとネット通販大手のJDドットコムが、今までの米ナスダック(ADR上場)に加えて香港にも上場を果たしました。

また、上記の2社以外では、アリババ傘下の金融会社であるアント・ファイナンシャルが香港上場の意向を示しており、ティックトックでお馴染みのバイトダンスや配車アプリ中国最大手の滴滴出行(ディーディー)にも香港上場の観測も出ています。

このうちアント・ファイナンシャルの評価額は1500億米ドル(約16兆円)、バイトダンスと滴滴出行の評価額はそれぞれ1400億米ドル(約15兆円)と560億米ドル(約6兆円)といずれも投資家から高く評価されています。

今後、これらのユニコーン企業が香港に上場し、ハンセン・テック指数に採用されれば、テック企業の存在感はさらに高まって関連銘柄への資金流入が加速すると予想されます。

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