はじめに
相場の変化に気が付かないと大やけどをする!
このように、相場の質が変化したにも関わらず単純に日経平均が高いからどんな銘柄でも上がるだろうと何も考えずに買うと、とんでもなく高い水準で株を買ってしまうということになりかねません。
割高銘柄などでも将来的に期待できると思われる銘柄=グロース株と、割安感が強く実際の会社の価値以下の水準まで売られている銘柄=バリュー株、のどちらが買われやすい相場なのかを見極めていく必要があるでしょう。
8月からは明らかにバリュー株が買われている状況でした。8月に入ってから買ったのでは遅かったということになります。ですから、相場の変化をいち早くとらえないとしっかりと安心して利益を出すことができないということになってしまいます。
6月の高値の後の調整で相場が変わるのではないかと想定せずに、いつまでも6月までの相場の流れが続くと考えていれば、買う株がすべて下落の始まりで買ってしまったでしょう。逆に相場が変わるということを想定して、売られ過ぎ銘柄を地道に買っておけば今頃利益が出ていたと思われます。
つまり、今回の相場の場合、6月の高値を付けたのは売られ過ぎの修正に過ぎず、目先の需給要因だけで、新型コロナウイルスの影響をすべて織り込んだということではなかったのです。ですから、相場はまだ変わっていないということで6月の高値を付ける過程、あるいは6月の下落からの過程で利益を確保していなければいけなかったということです。
目先の株価の上げ下げでなく、大きな相場の流れが変わったのかどうか、上昇している株価指数の本当の上昇の要因、下落している株価指数の本当の下落の要因を知るということが失敗しない大切なことなのです。
そして何よりも、相場が変わったことに気が付くことが大切なのです。筆者も例えば昨年11月に日経平均がいったん高値を付けたところで相場の流れが変わったと思ったので、その後の2月までの日経平均が高かったところでは寂しい思いをしたのです。結果的には失敗ではなかったのですが、少し変化に早く反応してしまいました。
今回の大きな流れの変化では、売られたものが買われ、買われたものが売られる相場となりました。今度はこの流れがいつまで続くのか、次の相場の変化を見極めるということになるのでしょう。