はじめに

「会社員」であることが強み

――メインにしたのは中古ワンルームですか?

はい。築浅で5〜8年くらいの中古ワンルームが多かったですね。新築に比べて、利回りが高い中古ワンルームを探していました。

あとは、事務所として使える広めのワンルームも所有していました。これは、あらかじめ入居者がいるオーナーチェンジ物件で、入居している会社がリーマンショックを乗り切った会社でしたので、安心して持てる物件でした。借り手探しの手間などが省けるため、これから不動産投資を始める人にはオーナーチェンジ物件がお勧めです。

――高めの物件や複数の物件を持つ場合は融資を受けることが前提になりますね。

そうですね。最初の物件は数百万円だったのでキャッシュで買いましたが、その後は融資を受けて買っています。

ここが会社員や公務員の強みです。

銀行などの金融機関から見ると、「株で5,000万円稼いだ」という実績より、年収500万円の給料をもらっていることを証明する源泉徴収票のほうが価値があります。

金融機関は、ちゃんと働いている人を好みます。個人に貸すのではなく、職歴、肩書き、勤め先、属性に貸すわけです。

その点から見ると専業投資家は不利ですよね。私の友人の中にも、資産はあるのに欲しいクレジットカードの審査が通らないと嘆いている人がいます(笑)。

――資産額より社会的信用なのですね(笑)。本業がある場合でも、ある程度の自己資金は必要だと思います。いくらあれば良いのでしょうか。

手持ちの資金がある方が購入できる物件の選択肢が増えますので、多い方が良いとは思います。頭金なしのフルローンで買える物件もありますが、最低でも100万円、できれば200〜300万円くらいはあった方が良いですね。現状として手持ち資金が少ない場合は、本業の収入をコツコツ貯めながら資金を作ってほしいと思います。

その際にもっともやってはいけないのが、無理なレバレッジをかけて資金を増やそうとすることです。私の周りでも、過去にそういう人がたくさんいました。

「東条さんを真似て不動産やります。でも、手持ちがないんで、FXで増やしてきます」

そう言って投機に走っていって、みんな音信不通になるんです(笑)。

(次回は不動産投資のリスク管理について聞きます)

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