はじめに
走りに感動
エンジンをスタートさせ、走り出してみました。木を使用したプラットフォームは「みしり」とも言いません。スタイルこと「4/4」や「ロードスター」といった伝統モデルから受け継いでいますが、その骨格には「CXジェネレーションストラクチャー」という新世代のプラットフォームが採用されているのです。木は使用されていますが基本的な作りは、3年以上かけて開発された接着剤やリベットによって組み立てられたアルミ製プラットフォームなのです。結果として軽量化や、ねじり剛性が100%向上したそうです。古くからのモーガンファンに言わせれば「これまでのモーガンとは別物」であり、完全なる新世代モーガンとも言われます。私も旧型の「4/4」と比べて、圧倒的な進化に驚かされました。
フロントのサスペンションにマクファーソンストラット、リアには4バーリンケージが採用されて、きっちりとまっすぐ走り、コーナリングもしなやかにこなしていきます。はっきり言ってかなりレベルの高いスポーツ性能を持ったクルマなのです。おまけに快適性と柔軟性、運動性能が実にバランスよく味つけされていますから、どんな路面でも不安を感じることなく気持ちのいいハンドリングを経験できたのです。
1千万円オーバーのスポーツカーで心配することなのか?と思うかもしれませんが、これがモーガンとなると“キッチリ走ることに感動する”のです。
当然です。プラットフォームやサスペンションだけが最新ではありません。採用されている6気筒エンジンはBMW Z4や新型トヨタ・スープラにも採用されたBMW製エンジンです。その最高出力340ps、最大トルク500Nmを発生する3Lの直列6気筒ターボエンジンが長いボンネットに収まっています。さらにトランスミッションはZ4と同じZF製の8速ATです。シフトレバーのデザインや操作性は、ほとんどZ4なのですが、フロントスクリーン越しに見える風景は撮ってもクラシカルなのです。エンジンなどはスープラやZ4と同じとは言え、醸し出される味わいは全くの別物です。
猛暑が連続する都内は「オープンなんか乗るものじゃない」と言えるほどですが、それでもモーガン PLUS SIXの楽しさは、「ちょっぴり我慢するか」という気分になります。