はじめに

やっぱりモーガンはオープンがいい

これだけの大きなトルクをしっかりと受け持ち、コーナリングもしなやかにこなす軽快な走行性能。この走りを実現しているもうひとつの理由は1,075kgという軽量ボディにもあります。軽量化も重要な性能アップと言われるだけに1トン少々の車重は、切れ味のいい走りにとって当然プラスに働きます。ちなみにカタログをチェックすると、このPLUS SIXの加速は0~100km/hが4.2秒、最高速は267km/hという動力性能なんです。これはスーパーカー並の加速性と言えます。おまけにステアリングの操作感は軽く、実にクイック。アクセルに対するレスポンスも抜群で、トルク感たっぷりに加速していきます。

そんな最新モーガンの走りを、市街地が中心とはいえ、たっぷりと楽しんだところで、さすがに炎天下の試乗にも限界が来ました。もちろんエアコンもキッチリと装備されていますから冷風は出てくるのですが、最高の風量にセットしたところでも、容赦なく照りつける陽の光には敵いません。そこで手動で折りたためる幌を掛けることにします。取りあえず一人で説明書片手に取りかかったのですが、これがなかなか大変です。あーでもない、こうでもないとやりながらほぼ15分。幌がかけ終わった頃には汗だくでした。でもこれでエアコンの恩恵をたっぷりと受けることができます。エアーの吹き出し口には水滴がたっぷり付いています。幌とガラスの間には隙間もあるので、激しい雨に見舞われたら雨水の侵入を完全に防ぐこともできないでしょう。

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15分ほどかかり幌のクローズができた。慣れればかなり早くなるはず。

しばらくソフトトップをかけたまま走ります。でも何かちょっぴり寂しい気持ちになってきました。「やっぱりモーガンはオープンがいい」。ここから幌を開けるには、また15分、いやそれ以上の時間を有するかもしれません。それでもオープンにした欲求がモリモリと盛り上がってきます。あ~あ、よせばいいのに……。ようやく日が傾き夕方になったことをいいことに、再チャレンジ。この不自由な感じを楽しむ気持ち、まるで儀式のような拘束感はちょっぴり癖になりそうです。でもきっと真夏や真冬には助手席に、誰も乗ってくれないでしょうね。

これで車両価格1,518万円(PLUS SIX・ツーリング)かぁ。効率だけを追い求めたらこの価格は納得できないかもしれません。でもモーガンにはこの価格に見合うだけの魅力があることだけは分かりました。

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