はじめに

若いうちにセミリタイアを考えるうえでの注意点

ということで、5000万円の資産を築き、うち3000万円を4%の配当狙いで運用し、年間106万円以上を稼ぎながらセミリタイアのような生活は理論的には可能だと思います。

ですが、3点ほど考えておいていただきたいことがあります。
1)しっかりとした投資のマインド形成ができずに不況が起こると、頭ではわかっていても理屈通りに動けなくなり計算が狂っていく可能性があるということ。
2)若いうちに自己投資をして、自分の生産性をあげることが一番の投資になると思うが、その機会が失われるのではないかといこと。
3)ライフイベント(結婚、出産、教育など)を計算に入れていないで、セミリタイアを考えている。つまり一生一人暮らしを続けた場合を前提にしているということです。

投資のマインド形成については、暴落時に狼狽売りをしないようにしたり、好景気に投資過多になりリスクが高まってしまうのをコントロールするのかは、経験がものを言うので投資の勉強をしながら自分がとれるリスク許容度をしっかりと見に付けていくしかないと思います。

その中でも、「自分が労働により稼げれば、一時の減配によるキャッシュフローの悪化や、資産全体の目減りがあっても大局的に影響ない」と思えるかによってマインドの安定感は変わってくると思います。

働き続けるか続けないかは別にして、スキルや資格など労働により稼げる力を身につけておくことは、非常に重要であると思います。

金融資産とともに大切な「無形資産」とは

そして、長期的な視点で人生を見た時に、資産として金融資産と、無形資産の両方が重要になってきます。無形資産は、リンダ・グラットン教授著の『LIFE SHIFT』によると、「生産性資産」「活力資産」「変身資産」の3つです。
1)生産性資産:仕事に役立つ知識やスキル。仕事につながる人間関係や評判
2)活力資産:健康、友人、愛、家族など。肉体的・精神的な幸福感と充実感をもたせ、前向きな気持ちにさせること
3)変身資産:人生の途中で新ステージへの意向を成功させる意思と能力のこと

セミリタイアは計算上は可能だけど

人生は長く何があるかはわかりません。まだ想定もしていないライフイベントがこれから色々と起こるのではないでしょうか。結婚する、子どもが生まれる、育てる、親の介護、などなどです。5000万円の資産を築き、あとは少しの労働で年間200万円の支出で生活することを一生続けるのは計算上は可能と思います。

一方、人生の面白さは様々なライフイベントがあることや、思い通りにならないことが起こるからこその味わいがあるものと思います。そして、人の役に立つこと、貢献すること、やりがいのある仕事をみつけること、愛すること、愛されることを通じて、豊かな人生を送るという視点に立ったとき、今という時間が将来において非常に重要になってくると思います。

コロナ禍における影響により、リモートワークなど地理的なものを超えた働き方が進んでいます。課題とされている、業務内容の自由度、時間的な自由、地理的な自由を得やすい環境になってきているとも思いますので、自己投資をして自分を磨くとともに、選択の幅をひろげ、今という時間を大切に考えていただければ幸いです。

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