はじめに

「押し目」なのか「下落の始まり」なのか

一番多いケースは、上昇が続いている株を見つけ、「今日まで上がっているのだから、まだ明日も明後日も上がる」と考え、十分に上昇した後に買ってしまうケースです。そして同じように多いのは、十分に上昇した株が少し下落すると「安い」と感じてしまい、慌てて買ってしまうケースです。

例えば、5,000円から10,000円まで上昇した株があるとします。元々5,000円だったものが2倍になったのだから、十分に上昇したということです。もちろん、何か業績の変化などで買われる理由があったのでしょうが、それにしても比較的短期間に上昇したとすれば、ずいぶんと買われたことになります。

この株が10,000円から9,000円まで下落したとすれば、どうでしょう。本来は10,000円という水準が高い水準なのですが、それに比べると1割安くなったということで慌てて買うという人も多いのです。つまり、8,000、7,000円まで下がると思う人が少ないのです。

高値覚えと安値覚え

9,000円で買ったはいいが、値が上がらないということになり、さらに5,000円や6,000円で買った人は今なら9,000円で売れる、8,000円で売れるということで売る人が多くなり、株価がさらに下がります。

逆に、8,000円まで急落したとすれば、元の木阿弥とはいかないものの5,000円まで下がってしまうと思う人が増え、一気に下がった分下げ止まるというケースも多くなります。

このように、高くなってから注目した株であれば「高いのが当たり前」と思ってしまって、下落の始まりが「ちょっと下がっただけ」と勘違いしてしまいます。これを「高値覚え」といいます。

逆に、元々安い株が少し高くなると「高い」と思って買えなくなることもあります。「安いのが当たり前」と思っているので、上がり始めた株に投資ができなくなってしまうのです。これを「安値覚え」といいます。

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