はじめに

米国の大統領選挙投票日まで1ヶ月弱となった9月末から、接戦だった選挙情勢に変化が生じています。


オクトーバーサプライズは大統領の新型コロナ感染

9月27日の第1回目のテレビ討論会は、史上最低と酷評される両候補による批判合戦になりましたが、最も注目されたバイデン候補のディベート対応能力に関しては、大きな失態は見られませんでした。

テレビ討論会後の世論調査ではバイデン候補がやや優位と報じられ、賭けサイトにおいてはバイデン候補勝利の確率が再び60%近くまで高まりました。

その後、ホワイトハウスで開催された最高裁判事候補であるバレット氏の判事指名式典で新型コロナウイルスのクラスターが発生した可能性があり、トランプ大統領夫妻、ホワイトハウスのスタッフ、複数の上院議員が感染しました。

大統領の新型コロナウイルス感染が判明した10月2日には、米国株市場は下落しました。その後の世論調査では、大統領選挙でのバイデン候補の勝利に加えて民主党が上院を制するとの見方が更に強まりました。

トランプ陣営の選挙対策本部長にも感染が広がる中で、終盤を迎えた選挙活動が予定通り行えないことはトランプ大統領にとって大きなハンデです。

また、リベラル寄りのメディアからは、トランプ大統領が新型コロナに感染したことそのものが「不注意」「自身の新型コロナ対策が十分ではない証左」との批判的な意見が報じられており、コロナ禍を選挙の争点から逸らしたいトランプ大統領にとって痛手でしょう。

大統領選挙直前の10月になって選挙戦情勢を揺るがす予想外の出来事は、「オクトーバーサプライズ」と言われます。10月早々に、トランプ陣営には予想外の新型コロナ感染という逆風となるサプライズに見舞われました。