はじめに
スマートウォッチの使い道は?
そもそもスマートウォッチとはどのように使われるものでしょうか?
先ほど挙げたような、メールやスケジュールをチェックしたり、地図を確認したりという以外にも、いくつか主要な使い方があります。
ひとつはSNS。メッセージをチェックするだけでなく、その場で撮影した画像をアップするなど、機動的にSNSを使うための端末としてスマートウォッチを活用する人たちが一定数います。
つぎに健康管理。腕にいつもついているスマートウォッチであれば、心拍数センサーで健康状態を把握するとともに、GPSで移動距離も測定可。それらの情報を総合すれば、一日の運動量が何カロリーだったかということも管理できるわけです。
そして決済。支払いが電子マネーに移行しつつあるなかで、スマホよりスマートウォッチの方が鞄から取り出さなくてもよいという点で便利でしょう。
そして、これらの機能とブラウザ機能が一通り揃えば、危険な歩きスマホをするよりも移動中もチラリと確認できるスマートウォッチのほうが便利だという方が一定数いることは当然です。この需要が市場を徐々に押し上げているわけです。
もう一段階進む、スマートウォッチの進化
そして今、増えつつあるスマホ連携型の“ブランド”スマートウォッチは、どのような顧客をつかんでいくのでしょうか?
実は高級ブランドは、ある期待を抱いています。
バブルの頃のルイ・ヴィトンといえば、若い女の子の必須アイテムと言われるぐらい誰もが高級鞄を持っていたものですが、最近は静かに顧客の高齢化が始まっています。
この流れを断つ意味でも、高級ブランドによるスマートウォッチ市場の創造がうまくいくかどうかが今、注目されているわけです。
そして、このスマートウォッチ戦線には、もうひとつの新たなトレンドが近い将来起こりそうです。
それは音声対応。AIが急速に賢くなっているなかで、メールやSNS、スケジュールほか、さまざまなスマホ機能を音声で操作する方向へ時代が進化しています。
そうすると、もっと新しい商品が登場します。それが「時計のベルト」をスマート化した商品です。実際にソニーからは「wena wrist」という商品がこのコンセプトで発売されています。
ベルトがスマートになると、今度は自分が好きなブランド時計にIT企業のベルトを装着させるという使い方が主流になる可能性もあります。
ということで、スマートウォッチの未来はどうなるでしょうか? アップルのようなIT企業のウォッチが主流になるのか。ヴィトンのようなブランドの参入が拡大するのか。はたまたベルトが勝者となるのか。しばらくの間、市場の動きから目が離せそうにありません。