はじめに

背景には排ガス規制も

各メーカーがEVの開発を急ぐ背景には、排ガス規制もあります。例えば欧州では、21年から「CAFE規制」と呼ばれる自動車向け排ガス規制が施行されます。二酸化炭素の排出量を減少させることが義務付けられており、達成しない場合は巨額の罰金が科せられます。米国においても、11月の大統領選挙次第では、規制が厳しくなる可能性もあるでしょう。

前述のテスラの時価総額は、20年7月にトヨタを上回り、市場を驚かせました。前期まで利益が見込みにくかったEV事業において、20年度通期でも黒字が見込まれる点を評価している模様です。もっとも、利益水準ではトヨタとは大きな格差があり、将来の利益拡大を早々と織り込んでいるといえるでしょう。

各国で自然災害が相次ぎ、環境問題への意識が高まる中、本格的なEVへの流れは変わらないと考えます。

<文:シニアストラテジスト 金丸裕美>

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