はじめに

絶不調な業種

企業の決算を個別に見ていくと好調な業種と不調な業種がはっきり分かれています。まずは厳しい決算だった会社から見ていきましょう。

まず目につく厳しさだったのが、大手コンビニ3社です。セブン&アイ・ホールディングス(3382)、ローソン(2651)、ファミリーマート(8028)のいずれも減収減益でした。セブン&アイはグループ全体としても減収減益ですが、「国内コンビニエンスストア事業」は4.8%の減収、9.5%の減益と苦しい数値でした。

コンビニ各社が苦しいのはなぜでしょうか?やはり新型コロナの影響は大きく、在宅勤務の増加による都心店舗の利用減少や外国人観光客の利用がほとんどなくなってしまったことが効いているようです。こうした状況を受け各社は不採算店舗の閉鎖や営業時間の見直しを進めています。

続いて厳しさが目立ったのが外食です。吉野家ホールディングス(9861)、「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(7630)、「中華食堂日高屋」を展開するハイデイ日高(7611)の3社とも揃って大幅な減収減益となりました。

吉野家ホールディングスは会社全体として22%の減収、10億円超の営業赤字です。マーケットも厳しい決算を受け悲観的な反応を示し、翌営業日の10月12日に株価は7%の大幅安となりました。

吉野家ホールディングスの決算の中身を詳しく見ていくと、回復してきている事業とそうでない事業がはっきり分かれています。本業の牛丼チェーンの吉野家事業は9.5億円の事業黒字と赤字だった第1四半期から黒字転換できたのですが、はなまるうどん事業は6億円の事業赤字、回転寿司などを手がける京樽事業も5億円の事業赤字となかなか回復できていません。

牛丼や定食なら持ち帰り需要に応えやすいでしょうが、うどんや寿司ではなかなか難しい面があるのかもしれません。

絶好調な業種

反対に新型コロナによる生活の変化が追い風となり非常に好調な業種が2つあります。それはスーパーマーケットとホームセンターです。集計した63社のうち、6~8月期に増収増益だった会社は30社ありますが、そのうちの21社はスーパーマーケットかホームセンターです。

例えば首都圏や近畿圏を中心に食品スーパー「ライフ」を展開するライフコーポレーション(8194)の第2四半期決算は売上高が前年同期比8%増の1,915億円、営業利益はなんと4倍近い82億円でした。

ホームセンター最大手のDCMホールディングス(3050)の第2四半期決算は、売上高が前年同期比13%増の1,272億円、営業利益は2倍弱の106億円です。

スーパーマーケットもホームセンターも明らかに新型コロナによる生活の変化が起きてから業績が劇的に良くなっており、家にいる時間が多くなった生活の変化が追い風になっているようです。

このように、まだまだ日本の個人消費全体で見ると厳しい状態にはありそうですが、消費者のお金の使い方が大きく変わったことで、恩恵を受けている会社と苦境に立たされている会社がはっきり分かれています。

日本全体一丸となって新型コロナウイルスを克服していきたいのは当然のことですが、投資の観点からは好調な会社と不調な会社を見極めて、ぜひ投資判断に活かしていただければと思います。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>