はじめに

「ひふみ投信」で知られる、レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長の藤野英人氏。前回に引き続き“お金の賢人”藤野氏に「お金に強くなる習慣」をどうやって身につけたらよいかを話してもらいました。


習慣1:投資はまず“自分”に対して

――「老後2000万円問題」などで投資に興味を持つ人が増えているようです。まずどんなことから始めるとよいでしょうか。

投資というと、金融商品を買って利益を狙うことばかりに気が向きがちですが、それよりもはるかに効果が高い投資があります。それは、自分への投資です。

金融商品を買って利益を上げれば、その利益には課税されてしまいます。株や投資信託であれば、利益の約20%が税として徴収されることになります。NISA(小額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった投資の利益課税されない有利な制度はあるものの、使える額には制限があります。

しかし、たとえば英語の勉強をしてTOEICの点を100点上げられたら、その100点はすべて自分のものにできます。自己投資で成長した部分はすべて丸取りでき、誰かに取られる心配もありません。自分への投資は非課税で無限に成長できる非常に有利な投資で、それで稼ぐ力を身につければ結果として金融商品よりもずっと安定的な利益を得られるでしょう。「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェットでさえ、「最強の投資は自己投資である」と発言しているほどです。

もちろん、お金を投資に回して利益を狙っていくことにもぜひ挑戦してほしいと思いますが、投資の対象はそれだけではないことも覚えておいていただきたいと思います。お金の投資では最初の一歩を踏み出せないという人も、ぜひ自己投資から始めてみてください。

習慣2:個別株投資に挑戦し、自己成長につなげる

――投資をスタートしたいという場合、どんな方法がいいでしょうか。

前回記事でもお話しましたが、最も簡単なのは、投資信託を毎月一定額、自動で買い付けていく積み立て投資です。残ったお金で生活することで家計をスリム化できる効果もあるうえ、一度設定した後はほったらかしでいい。お金を増やしながら、自己投資のための時間をしっかり確保できます。

そこからもう一段、ステップアップしたいなら、個別株への投資にチャレンジしてみるといいでしょう。私の周囲でも、うまくやっている人は積み立て投資と個別株投資を両立している人が多いです。個別株投資はリスクは高まるものの、成功すればより大きな利益が期待できるうえ、自分への投資を兼ねられるという大きなメリットがあります。
 
個別株だけでなく、金や原油などの商品やREITなど、何でも構いません。これらの金融商品はすべて経済と紐づいているので、投資することで否応なしに経済や世の中の動きと向き合うことになります。こうした投資を続けることで社会人としての視野が広がり、現状を的確に把握する力や先読み力が養われます。株価の動きは投資家のメンタルも影響するので、人の心理の動きを学ぶ機会にもなります。結果的に、それがビジネスでも成功する力につながるのです。