はじめに
少しずつ始めた株が億を超える資産に
——日々使ったお金を意識することが、浪費や消費を減らすことにつながったのですね。資産運用はいつ頃から始められたのですか?
お金が貯まってきた頃、会社が上場することになり、社内で自社株を買う機会がありました。貯金していたお金で自社株を買ったところ、上場後、いっきに400万円まで増えました。
その時はすぐに売ってしまったのですが、その後リーマンショックが起こった2008年には、自社株の売却益も含め800万円を株につぎこみました。ずっとチャンスを狙っていたんです。小泉政権のときに一時7,000円台にまで下がった株価が、数年で1万7,000円台まで戻ったのを横目で見ていて、下がった株はまた上がるんだという経験則がありました。
なので、株価が下がるようないいチャンスがあれば、買いたいと思っていたんです。
ただ、リーマンショックで下がり始めた後に購入した株は、その後もどんどん下がり、あれよあれよと500万円にまで下落しました。その後、2年くらいマイナスを続けたので、正直不安でいっぱいでしたね。300万円あれば車が買えたのに......と悔しく思ったり。
——数年はマイナス300万円と苦いスタートだったんですね。そこからどのように1億円以上の資産に増えていったのでしょうか?
長期で持つことを決めていたので、含み損が出ている状態でも、一度も株を売りませんでした。結局は、第二次安倍政権で金融緩和を始めたころから、時間とともに、毎年2,000万円という単位で資産が上がっていき、1億円を超えることができました。
現在は、株の配当金だけで年間で180万円ほど入ってくるのですが、それでさらに個別株を買い付けています。めぼしい個別株は、会社の株仲間と四季報を読む会を開いたりして、情報交換しながら探しています。メンバーそれぞれ興味がある分野が違うので、新しい発見があって勉強になるんです。
ちなみに、うちの奥さんは株や投資が好きではなく、現金派です。定期預金のなかでも、どの銀行のほうが0.1%金利が良いから移し替える、というような人。後付けかもしれませんが、奥さんが現預金を確保しているからこそ、私は思い切ったリスクが取れたというのもあるのかもしれません。