はじめに
2021年1月、火災保険と地震保険の両方が値上げになります。火災保険は、相次ぐ大規模な自然災害により、保険金の支払いが増大しているからです。地震保険は、2014年の東北地方太平洋沖地震より、3段階の引き上げの3段階目に当たります。
火災保険は、平均で4.9%ぐらいの予定で、地震保険は5.1%ぐらいの値上げになります。火災保険・地震保険ともに家計負担になることは避けられないですね。今回は、火災保険・地震保険について解説をしてみましょう。
火災保険・地震保険が2021年1月にダブルで値上げ
2021年1月、火災保険と地震保険の両方が値上げになります。まずは、火災保険から値上げの背景について解説をします。
火災保険が値上げするのは、保険料を計算する指標である「参考純率」が、平均4.9%引き上げられるからです。この参考純率は、2018年までの自然災害の影響を踏まえたデータです。2018年は、西日本豪雨災害がありました。2019年、2020年のデータは含まれていません。
ちなみに、2020年7月に、熊本県を中心に九州・中部地方に大きな被害をもたらした豪雨災害は、記憶に新しいところでしょう。
2019年の8月には、九州北部の豪雨、線状降水帯が発生して、長崎県、佐賀県、福岡県に及ぶ各地で長時間にわたり集中豪雨になりました。これによって各地で観測史上1位を更新し、大きな被害をもたらしたのです。同じく2019年9月に関東地方に上陸をした台風15号は、過去最強クラスの勢力を持ち、大きな被害をもたらしました。とくに千葉県では大規模な停電が起こり、17万戸に影響が出て、さらに全面復旧まで2週間を要すという被害になりました。
これから、ますます自然災害が大規模化していくだろうと考えられているので、火災保険の保険料も上がっていくと予想されます。ですから、火災保険を検討しているのでしたら、年内に契約をしておくのが有利と言えます。
35%も火災保険の保険料が値上がりするかも?
では、どのくらい保険料が上がるのかというと、都道府県で改定率は大きく違いますし、築年数や建物の構造でも異なります。平均で約5%の値上げなのですが、細かく見ていると、保険料が30%以上も値上がりする地域がある一方で、値下がりする地域もあるのです。
2021年1月に保険料を改定するのは、大手損保会社4社のほか、多くの損保会社が変更する予定です。まだ具体的な保険料は発表されていませんが、参考純率をみると、熊本県でH構造(非耐火構造)ならば、31.3%の値上げになります。逆に福岡県でH構造ならば、−15.9%の値下がりになります。
東京のM構造(マンション構造)は、1.4%、大阪のM構造は、8.9%、愛知のM構造は、4.2%と値上がり率はまちまちです。
また、2021年より築年数による割引が導入されました。建物の築年数が5年未満では平均28%の割引、築5年以上10年未満では平均20%の割引です(地域・建物構造によって異なります)。
これによって、築年数が浅い建物は、保険料が安くなる可能性がありますが、逆に熊本県でH構造、築10年以上ならば、35.0%の値上げになります。
ちょっとわかりにくくなりましたが、ご自分の住んでいる建物を確認してみてください。しかし、いずれにしても火災保険は今後値上がりが予想されます。火災保険を検討されている人は、早めに契約することをお勧めします。