はじめに

中国株の見通しは

また、株式相場は一進一退を続けつつも、今後、楽観論が台頭してきそうなのが中国株です。新型コロナの感染をいち早く収束させた中国では、経済が着実に正常化に向かう姿が確認できます。7-9月期の実質GDP成長率は、前年比+4.9%と、市場予想(5%台半ばの成長)には届かなかったものの、4-6月期と比べてその成長は加速しています。

9月の小売売上の伸びは勢いを増しており、今後も個人消費の拡大による景気の底上げが期待されます。直近でIMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しでも、2020年の中国のプラス成長の見方が維持されるとともに、多くの国で成長率が下方修正された2021年についても見通しに変更は加えられませんでした。

中国は2021年に共産党の結党100周年の節目を控え、様々な政策を通じて景気回復が図られるものと推察されます。米国からの圧力に屈することなく、中国が再び高い経済成長を達成できるのか、市場参加者の注目度が高まります。

日本株はPER上昇

足元の日本株は相対的に底堅く推移し、日経平均株価はおおむね23,000円台をキープした状態にあります。景気動向指数や機械受注統計の基調判断が上方修正されるなど、日本のファンダメンタルズ改善に期待が高まったことが背景にあると考えられます。

日本株の再評価が進んだことを端的に表しているのがバリュエーションです。6月はじめに15倍程度だった日本株の予想PER(TOPIXの12ヵ月先予想ベース)は、直近で一時18倍近辺まで上昇しました。それに対して、米国株の予想PERは21~23倍のレンジ内での上下が中心で、ほぼ横ばいの動きとなっています。

コロナ禍に揺れた年前半は、人々のマインドが冷え込み、日本の経済・株式市場が、極端に萎縮した可能性があります。その結果、世界の株式時価総額に占める日本株の割合は7%を下回る水準まで低下しました。過去15年間で、ここまで日本株のシェアが低下したことはなく、日本株の出遅れが顕著な状況となっています。

期待通りの回復を見せるか

世界的に景気が低迷する中にあって苦戦を強いられたのは、景気敏感な日本株の宿命ともいえるかもしれません。しかし、マクロの景気が回復の兆しを強めるなかで、ミクロの企業業績も回復への期待が強まっていることは事実です。

日米欧で比較したリビジョン・インデックス(アナリストによる業績予想の修正動向)は、米国がいち早く上昇し、最近はプラス圏で推移しています。それに対して、日本は未だマイナス圏にありますが、リビジョンのトレンド自体は上向きです。

日本のリビジョンが近いうちにプラスに転じることになれば、それは2018年4月以来、2年半ぶりのこととなります。今回の決算発表を受けて、来期に向けての企業業績見通しに明るさが増せば、株価はもう一段の上昇を遂げる可能性があります。年末に向けて、日経平均株価は年初来プラスに向けて歩みを進めていくことになると予想しています。

<文:チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和>
<写真:ロイター/アフロ>

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