はじめに
4月の緊急事態宣言の発令から半年が経過しました。ビデオ会議や社内SNSの活用など、最初は手探りで行っていたリモートワークでの業務に慣れてきたという声を耳にするようになりました。
一方で、コロナ禍終息の見通しが立たない中、リモートワークが続くことに不安を感じる声も聞かれています。コミュニケーションが遠隔となったことで、お互いの仕事の状況やナレッジなどの情報共有がされにくくなり、仕事の偏りや抜け漏れが発生しているようです。
このような問題を解決し、リモートワークを継続しながら組織の生産性を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。企業で既に行われている取り組みを交えて解説します。
会わないことで生まれる情報格差
カオナビHRテクノロジー総研が本年8月に実施した調査によれば、リモートワークで不安に感じることは「自分の仕事の質や生産性」とともに、お互いの仕事の状況や必要な情報が得られないといった情報格差に関する項目も不安の上位を占めています。
この様な不安や不満を放っておくと、自分を律して業務に向かうことができなくなり、周囲との協働を進めることが難しくなります。一部の人が仕事を抱え込んだり、問題が発生しても相談が上手くできないことによって、メンタル不全や離職なども懸念されます。
リモートワークを開始するための環境整備を行ってきた企業は、この体制を継続し、自律と協働を推進し、生産性を上げていくための「職場コミュニケーションのデザイン」が必要です。大切なのは「範囲」「頻度」「質」の3つのポイントです。