はじめに

株式市場は今、「リターン・リバーサル」

これまで株式市場は「コロナの影響は来年以降も続き経済の正常化はもっと先だろう」との思惑で動いていました。ところが、急に非常に予防効果の高そうなワクチンが登場しそうになったことを受け、「経済の正常化は意外と早いかもしれない」というシナリオが生まれたわけです。

であれば非常に割高なところまで買い進まれている銘柄を売り、割安に放置されている銘柄を買おうという投資行動につながったということです。

もちろん、本当にファイザー社のワクチンが有効で副作用もなく、世界中で接種されてコロナの封じ込めができるかは不透明感が大きいのですが、株式市場は気が早いのでポジティブなシナリオを織り込みにいっています。

このようにこれまで買われていた株が売られて下落し、売られていた株が買われて上昇することを「リターン・リバーサル」と呼びます。筆者はしばらくの間リターン・リバーサルは続くのだろうと考えています。

ただ前述したように、ワクチンの効果が本当に優れているのかはまだわからないので、マーケットは様々な報道に一喜一憂しながら進んでいくのでしょう。これから銘柄選定をされる方はコロナの影響で業績や株価が冴えない銘柄を探してみるのも有効かもしれません。

とにもかくにも、我々が新型コロナウイルスを克服するための良いニュースがようやく出てきました。未来への希望を忘れずに、みんなで協力して前へ進んでいきたいですね。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>

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