はじめに

独身時代はお金の管理をしておらず、貯金も会社の制度の財形のみだったというJさん。結婚を機に、お金の見える化アプリ「マネーフォワード ME」でお金の管理を始め、数カ月の実績からみえてきた無理のない予算立てをベースに、本の知識も取り入れて、現在では月収の3割ほどを貯蓄にあてられているそうです。夫婦で築いていったという無理のない予算立ての考え方について伺いました。

※お金の見える化アプリ「マネーフォワード ME」

ムリをしない管理が夫婦円満のコツ

——日常でやっている節約の方法などありますか? 夫婦でうまく長続きさせるコツも教えてください。

ポイントもうまく活用したいと思っています。

私たち夫婦にとっての楽しみは、旅行です。お得に旅行するためにマイルを貯めています。また、ポイントが効率よく貯まる方法を見つけるのも好きで、よく比較サイトや比較アプリを利用しています。たとえば、あるコンビニだとどの決済方法で払うのが1番お得なのかが分かるアプリもあるんです。旅行のホテルを予約するときも、どのサイトで予約するのが1番お得かを考えたりしますよ。

月に何にいくら使うか、予算をきっちり決めてはいません。これまでの実績をベースとして日々の支出を意識することで、固定費も変動費もそこまで変化せず落ち着いています。

お小遣いについては、たとえばそれぞれ5万円までと決めたら、内訳までは気にしていません。現状、お互いがお小遣いで何にお金を使っているか見える状況ではありますが、それぞれの使い方にツッコミをいれたりはしません。やっぱり自分で好きに使いたいこともあって、ケチをつけられると嫌になってしまうじゃないですか。なので、あえてそこは何も言わないように意識しています。

——貯金についての計画はありますか?

現在では、未来のためのお金と、直近で使うお金を分けて貯蓄しています。

「収入の25%を貯金しよう」という専門家の意見をよく目にしますが、私たちには具体的な数字を目的にするのは実感が湧きませんでした。結果的に月収の3割を貯めることができていますが、「何のために」と目的があったので、自然と貯金したい額も決まりモチベーションが上がったんだと思います。

未来のためのお金は、つみたてNISA、企業型確定拠出年金、貯蓄保険で貯めています。家を購入するときに、一度ファイナンシャルプランナーにマネープランを相談したんです。老後、旅行も楽しみながら生活するにはどれくらいの資金が必要なのかを認識して、それに向けてできることからコツコツ積み立てています。

一方、5年、10年放っておくわけではない、直近使いたいお金は、さらに目的別で現金で貯めるようにしています。二人の趣味の旅行はケチらず楽しみたいよねとか、まとまった額が必要な家電などの購入にも毎月積み立てていたたほうがよさそうだねとか、生活するなかでの気づきが貯金の目的になっていきました。

現在は、「十分に楽しめる旅行費用」、「家電」、「冠婚葬祭」、「クレジットカードなどの年会費」という4本立てで、ネットバンキングの目的別口座に振り分けています。こうすることで、毎月の基本の変動費にもばらつきが出ず、安定した管理ができているように思います。