はじめに

結婚はしたものの

それから1年ほどつきあい、彼女も35歳という年齢が近づいていることを意識しました。結婚して子どもがほしいと思ったのです。

「仕事も好きだけど、やはり家庭をもちたいという思いが年齢とともに強くなっていったんです。彼は結婚するつもりがなさそうだったので、いちかばちかで『35歳までには結婚したい』と訴えました。すると彼はわかったって。なんの抵抗もなく、そこからトントン拍子に結婚に行き着きました」

特に式は挙げず、簡単なパーティのみにしたのですが、前払いの締め切り日が近づいてきたとき彼は出張で不在。しかたなく彼女が振り込みました。

「私が広めの1LDKに住んでいたので、彼が私のところに引っ越してくることになったんです。新婚旅行はイギリスに行ったんですが、旅行代金は私が振り込みました。なんとなくお金のことがうやむやになっているのが気にはなったんですが、ふたりとも仕事をしながらだし、特に彼は当時忙しかったので、あとできちんと話そうと思って日にちが過ぎていきました。新婚旅行先でも食事代など、ほとんど私が支払ったんです。彼は英語が苦手だし旅行中にケンカするのもいやだから、黙って払いましたけど」

帰国して始まった日常生活は楽しかったと言います。何より大好きな彼と一緒に暮らせるのですから、彼女も張り切っていました。ただ、家賃や光熱費は今まで通り彼女の口座から引き落とされていきます。彼は自ら食事を作ったりはしなかったので、彼女は仕事帰りにスーパーに寄って食材を買って帰ります。結局、彼から生活費をもらうことはありませんでした。