はじめに

妻の休暇中の収入と暮らし方を知っておこう

妻が産休に入ると、民間企業の場合、通常は無給になります。社会保険料は免除になりますが、無給はご相談者のご家庭には痛いところです。胎児が一人の場合で、産前6週、産後8週の期間です。その間の生活ができるよう、今ある貯金は減らしてはいけませんし、前述のように収入の中に支出を収め、貯金を増やしていかなくてはなりません。

ただ、産休期間が終わると「出産手当金」を健康保険に請求できます。支給額は、妻が手当を支給開始する前1年間の標準報酬月額の平均を出し、30日で割ります。そして、その金額の2/3が一日当たりの手当額となり、産前産後休暇分の98日分が一度にもらえます。予定日が早まるとその日数は少なくなりますし、遅れると、その分の手当が貰えます。

貯金があり、その中で暮らせると、あとからお金が戻ってくるので生活は立て直しやすくなります。その後、育児休業に入ると、開始から6カ月は休業前の標準報酬月額の67%、7カ月目以降は、休業前の標準報酬月額の50%が支給されます。支給は2か月に一度ですが、生活費を考えると随分やりくりが楽になると思います。

肝心の出産費用はどのように準備する?

出産費用は、実はあまり大きな心配は必要ないと思います。普通分娩でも、帝王切開になったとしても、分娩には原則として子ども1人につき42万円の「出産一時金」が支給されるからです。健康保険から病院に直接払われるので、入院費用と相殺されます。自己負担額は病院で提示されている金額との差額となります。

とはいえ、今は1週間ほどの入院でも分娩の場合は関東近郊で50万円以上、60万円、70万円など費用が病院によって異なりますから、そこは事前によく調べ、選択するとよいでしょう。

ちなみに分娩にかかる費用も、確定申告の際の医療費控除の対象になります。出産一時金と相殺される部分は対象にはなりませんから、自己子負担額が高額になった場合は、確定申告をすると節税ができます。

このように、出産や出産後はある程度の収入がありますので、今の家計をしっかり整えることが、そのあとの暮らしにもつながっていくでしょう。不安もあると思いますが、慌てず、今できることをしっかりと取り組み、お子さんと楽しい暮らしを送ることができるよう、準備していきましょう。

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