はじめに
「現在、新型コロナウイルスによって世界が混乱していますが、実は株式投資にとってはチャンスも次々と舞い込んでいます」こう語るのは、『Yahoo! ファイナンス』で運営されていた「株価予想」で、39連勝という快挙を成し遂げた“相場の福の神”の愛称で親しまれる藤本誠之さん。投資のプロはなぜ「株は、時価総額100億“以下”の会社が狙い目」と思うのでしょうか?著書『株は社長で選べ!コロナ継続・収束問わず確実に勝ち続けるたった一つの株式投資術』から抜粋して紹介します。
東証一部は株式市場の“大リーグ”
投資の精度を上げるために注意する点をお伝えします。
大事なあなたのお金を投資するのですから、「勝てる方法論」は、いろいろと知っておいて損はないはずです。投資候補の株がドーンと上がりそうか、ダメ押し条件を確認しましょう。
株価が高いままで安定する銘柄を選ぼうとする安全志向の人が案外多いのですが、株価の上昇を期待して投資しなければ意味がありません。安く買って、高く売りたいのですから。よって、株価が2倍、3倍、できたら10倍の「テンバガー」になる銘柄を選びたいもの。
そこでまず推奨したいのが、会社規模に注目する方法です。
100億円以下、多くても500億円くらいまでの時価総額の小さい会社が、今後の株価の伸び代も大きく、成長が期待できます。時価総額が30億円とか50億円くらいの小さな規模の会社は、サービスや製品が受け入れられて成長軌道に乗ると、すぐに100億や300億円の規模になります。
この株価の伸び代の大きい時期に仕入れて、会社の成長と共に利益を得るのが、賢い投資術です。「時価総額が小さい会社は、成長軌道に乗りやすい」という側面もすごく有利なのですが、この時価総額が100億円未満の会社の株を買いに来るのは、ほぼ個人投資家だけといってもイイところも注目です。言い方はちょっと厳しいですが、個人投資家には不勉強で判断もいい加減な人もいます。
つまり、このフィールドは、投資の初心者が多く集まってきているところなのです。株の基本は、ライバルが知らないうちに株価が上がりそうな銘柄を買い、値上がりした頃に売ることです。ライバルが弱いほうが、株で儲けることができるのです。
例えば、野球を例に挙げてみましょう。誰でもわかることですが、野球の初心者がいきなりアメリカの大リーグを目指しても、それはムリというもの。
株の世界も同じで、最初は草野球(時価総額の小さな会社が集まる市場=ライバルが弱い市場)でコツコツと経験と実績を積み、自分の勝ちパターンを磨くことが大切です。
一方で株式市場の大リーグのような、時価総額の大きい企業が集まる、日本の株式市場でいえば東証一部の中の、さらに上位が集まる舞台では、ライバルの投資家は百戦錬磨の強敵ぞろいとなるでしょう。初心者は、あまり活躍できそうもないですね。